【新春特集】株式会社 コムテック

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牛舎内を落ち着きなく歩き回る雌牛。これは発情した雌牛の特徴的な動きで、この行動特性に着目し、牛の発情期を検知する発情発見器「牛歩」を開発したのが株式会社コムテックです。全国の和牛・乳牛生産者の「繁殖ロス・ゼロ」をコンセプトに成長を続け、「1頭でも多く子牛を生むことが、生産者の売り上げ増加に繋がります」と語るのは、同社代表取締役の笹栗康氏です。また、近年は牛の成長に合わせた配合飼料も開発し、企業理念である「人の真似をしない」「お客様に儲けていただく」をモットーにして、生産者の利益増を考えながら、更なる飛躍を目指しています。そこで今回は令和3年の干支、丑年の年頭にあたり、笹栗社長に主力商品のご紹介から今後の展望まで話を伺いました。

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牛の発情を発見する【牛歩】

まずは沿革を。

笹栗 弊社は昭和618月に現会長である父が創業しました。創業当時は、携帯電話やPHSが使用できない病院内において、ナースコールに接続するポケットベルタイプの小型無線受信端末「ナースベル」を製造販売していましたが、その後、PHSの院内使用が認められるようになったことで、いずれはPHSが主流となってナースベルの需要が減ることに危機感を覚え、新商品の開発に取り組み、進出したのが畜産業界でした。




ネックタイプの牛歩.png

医療業界から畜産業界へ舞台を移し、誕生したのが「牛歩」なのですね。

笹栗 電波を使用しているという共通点以外は全く異なる商品ですが、会長が試行錯誤を重ね、1999年に開発したのが初代の発情発見器「発情ピタリ」でした。しかし、これは牛への取り付けに不具合が発生したため、2002年に改良版となる「牛歩1号機」が完成しました。その後もお客様の声を汲み取りながら改良を重ね、現在は「牛歩WEB」「牛歩スタンダード」「牛歩10」、そして2019年に新登場した「牛歩ネックタイプ」を販売しています。


牛歩WEB.png



仕組みはどのようになっているのですか。

笹栗 牛歩には、我々人間が使用する"万歩計"のようなカウンター装置が埋め込まれています。雌牛の発情期になると活動量が増加して歩き回るという特性を利用し、牛の肢や首に発信機となる牛歩を装着して歩数を計測します。そのデータを受信機が受け取り、数値をグラフ化することで、発情開始時間や授精適期を確認することが出来ます。これにより、発情期の見逃しの減少や、発情発見の労力を軽減するだけでなく、発情兆候を示さない牛の早期治療にも役立ちます。

また、管理できる牛の頭数やシステムの有無によって牛歩の種類を選べるようになっており、牛を10頭まで管理できるパソコン不要の表示板タイプが「牛歩10」、発信機・受信機(大型牧場用と中小規模用の2種類対応)・専用ソフトを使い、パソコンで管理する「牛歩スタンダード」、クラウドサーバーを利用し、いつでも、どこででも発情開始時間と授精適期を確認でき、発情時期もメールで受信できる、大規模農場向けの「牛歩スタンダード」の上位版「牛歩WEB」があります。なお、牛歩の耐用年数はおよそ6年です。


導入している牧場はどれくらいあるのですか。

笹栗 本社がある宮崎県の外にも、北海道と埼玉県に支店を置き、全国で営業活動を行っており、現在の導入実績は研究機関も含め国内約2000牧場です。牛歩と同じような装置は他のメーカーでも販売されていますが、お陰様で牛歩が約9割のシェアを占めています。この背景には、20年に亘る経験値と技術の蓄積により、実際に発情を発見する確率が高い点、また、約500kgもの牛の重量に耐えられるだけの堅牢な作りに加え、取り付けさえすれば後はデータを確認するだけと、使用方法が分かりやすい点などが、支持を集めている理由だと思います。


牛歩10.png

今後も導入数は伸びていくことでしょうね。

笹栗 毎年約100農場ずつ増えておりますが、やはり費用面で二の足を踏む農家さんがいらっしゃるのも事実です。大規模農場であれば、牛歩を装着する頭数が多い分、受信機1台当たりの単価も安くなりますが、畜産王国と謳われる宮崎県でも、肉用牛繁殖農家のうち飼養規模20頭未満の農家さんが約8割を占めているのが現状です。こうした小規模農場でも、牛歩のメリットを受けられるように、機能を簡素化して価格を抑えて開発したのが、牛歩10です。牛歩を利用して子牛が1頭でも多く生まれれば、それだけ利益に繋がりますので、ぜひ多くの農場で牛歩の導入を検討して頂ければ幸いです。


ドライTMR.png

完全混合飼料【ドライTMR

牛歩に続き、配合飼料も開発されたとか。

笹栗 牛歩は発情を発見する装置ですが、それ以前に「発情が出やすくなる餌」はできないだろうかという発想から、2011年にドライTMRTotal Mixed Ration:牛に必要な飼料を混合した完全混合飼料)を開発しました。親牛の健康を維持する「モウ・ステップ」と、子牛の発育を促す「モウ・キッズ」「モウ・ジャンプ」の3種類があり、焼酎酵母のほか、牧草等の良質粗飼料、トウモロコシや大豆といった濃厚飼料、天然ミネラル、ビタミン等をバランス良く配合しています。他にも、酵母・麹酸・核酸・納豆菌・乳酸菌を混合し、必須アミノ酸(トリプトファン・メチオニン等)の生成が図られることで、胃内・腸内微生物・細菌の活性化を促進します。製造の際には、糖蜜を散布することで摩擦が発生し、分離しにくくなるのが当社商品の特徴です。

 ドライTMRは、複合経営での労力不足、飼料畑不足を補うだけでなく、飼料給与管理時間の短縮が実現し、事業規模拡大に最適です。また、低コストで経営計画が立てやすく、母牛飼育費の低減も計れる等の相乗効果で、ご夫婦2人での100頭飼養が可能になります。


生産量はどれくらいですか。

笹栗 一月2600トン程です。発売当初はまだ認知度も低く、販路開拓に苦労しましたが、少しずつ導入して下さる牧場が増え、特に、3種類の牧草を混合したモウ・キッズの売れ行きが良く、今では当社の売り上げの9割をドライTMRが占め、1割が牛歩となっています。家族経営で牛歩を販売していた頃と比べると、ここ10年で従業員数は40数名に増え、会社の売り上げも約10倍増となりました。とは言え、飼料業界は薄利多売で競合他社も多く利益率が低いなど、厳しい世界ではあります。ただありがたいことに、たまたまJA全農さんが探していた飼料の特徴と、当社のドライTMRが合致していたことから取引が始まり、素材の仕入れから卸販売までJA全農さんに一任していただいております。特に、南九州においては、JA全農さんが扱うドライTMRは当社のみとなっており、南九州の生産者にとっては牛歩ではなく「飼料のコムテック」としてのイメージが強いかと思います。いずれは、ドライTMRの売り上げを運営資金に充て、牛歩の売り上げが純利益となるような経営ができればベストですね。


今後の展望

それでは最後に今後の展望を。

笹栗 今年創業から35周年を迎えますが、気付くと医療業界から畜産業界へと、全くの異業種に参入していることに我ながら驚きを禁じえません()。しかし、どんな業界においても「人の真似をしない」、そして当社の商品を通して「お客様に儲けていただく」という企業理念を貫徹し、これからも立ち止まることなく邁進していくのみです。新規の顧客獲得に向けた新商品の開発も絶えず行っておりますが、今後も全国の和牛・乳牛を扱う事業者様が笑顔で運営していただけるよう、微力を尽くして参りたいと思います。


ご協賛の企業様

J-アグリ株式会社

江夏石油株式会社

株式会社西輝物流

エム・エス・ケー農業機械株式会社 西日本支社

株式会社TOTEMO

株式会社牧野電設

有限会社安井工務店

國部和幸税理士事務所 有限会社KAC会計

橋口剛和社会保険労務士事務所

株式会社クリーン管理宮崎

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株式会社エフオーテクニカ

株式会社アグリワン

佐藤産業株式会社

西日本オリオン株式会社

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