【新春特集】株式会社 日東

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油分を豊富に含み、火起こし用に使われていたことから「火の木」と呼ばれていたと言われる「ヒノキ」。まっすぐ伸びた幹は古来より、最高品質の建築材として法隆寺などの寺社建築に欠かせないものとされてきましたが、曲がっている根の部分は用途がないため、廃棄されることがほとんどでした。その端尺材を「もったいない」と持ち帰り、試行錯誤の末、日本で初めて端尺材を活用したヒノキフローリングを開発したのが株式会社日東の創業者故東三郎氏です。そのパイオニア精神を受け継ぎ、様々な商品を開発しながら昭和61年から30年連続「ヒノキ床板、壁板生産量日本一」の座を堅持する二代目代表取締役社長の東達郎氏。「父の代から品質第一主義を貫き、自社の商品には絶対の自信を持っています」と語る通り、品質の良さが評判を呼び、同社の製品は全国の名だたる劇場やホールに使用されています。さらに近年、新たに消臭・抗菌機能を備えた新商品も発売し、創業70周年を迎える今年、ますます活躍が期待されます。「私も社長就任30周年になるので、次は三代目の息子が30年頑張って100周年を目指してほしい」と笑顔で話す東社長に、今回は創業の経緯から商品の紹介、今後の展望まで話を伺いました。



日東外観.JPG

創業70周年おめでとうございます。御社の看板商品である「ヒノキフローリング」はどのように誕生したのですか。

 昭和26年、初代である父が創業した際は、従業員5人の小さな製材所でした。そこから20年間地道に営業を続けていましたが、周囲の老舗製材所が規模を拡大する中、父は生き残りをかけた新商品開発を念頭に毎日山に通い、目を付けたのがヒノキの根曲がり材でした。ヒノキは日本の特産種で、幹は真っすぐ伸びますが、根本は80cm2m程湾曲しており、その部分は用途がなく、ほとんど山中に捨てられていました。それを父は「もったいない。何かこれで開発できないか」と持ち帰り、毎日工業試験場に通い詰めて乾燥や加工技術を一から習得し、昭和44年に国内初となる「端尺材を活用したヒノキフロ一リング」を量産することに成功しました。素材が端尺材ということで、一般的なヒノキ材より金額が安く、それでいて品質も良いということで評判が広がり、生産量と共に売り上げを伸ばし続け、現在、東京商工リサーチ社が行う調査において、第一回の昭和61年から30年連続「ヒノキを原料にした床板、壁板製造量」で日本一の座を占めています。


ミューザ川崎シンフォニーホール.jpg

連続日本一とはすごいですね...木材としてのヒノキの良さは。

 ヒノキは油分が多く、古代人が火をおこす時に使用していたことから「火の木(ヒノキ)」になったとも言われています。ヒノキ風呂が重宝されているように、最大の特徴は水に強く腐れにくいことで、台所や洗面所などの水周りのフローリングに最適です。また、強度も強く、薄いベニヤ板が重なった合板のフローリングと比べると、同じ15mmの厚みで倍以上の強度があります。当社では最大50mm厚まで製造が可能ですので、これまで一般住宅はもちろん、学校、保育園・幼稚園、福祉施設等に納入されているほか、東京芸術劇場やミューザ川崎シンフォニーホール等、特殊な厚さが必要な舞台等にも採用されています。


日東製品.jpg

どんな商品があるのですか。

 メインはヒノキフローリングで、生産量の9割を占めます。そのほか、ヒノキ・杉の壁板や腰壁、また高級材のケヤキ、西南カバ桜、ナラ等のフローリング・壁板等を製造しています。アイテム数で言えば6070種類ほどでしょうか。

 特筆すべきは、平成29年に光触媒反応による消臭効果・アレルギー物質の分解・抗菌作用のある「エアー・ウォッシュ・ひのき・すぎ」という画期的な新製品を開発・発売しました。光触媒反応とは、太陽光や照明等の可視光が当たることによって化学反応を起こし、有害物質を除去するというものです。神奈川県立産業技術総合研究所で行った性能試験によると、ノロウイルスとインフルエンザウイルスに光を8時間照射したところ、620万個あったノロウイルスが100個以下、110万個あったインフルエンザウイルスが830個に減少しました。また、生活4大悪臭を大幅に低減するほか、アレルギーの原因となるVOCや床に降下した菌やウイルス等も軽減します。このような特性を持つエアーウォッシュを、ヒノキと杉のフローリング全てに塗装し、価格は据え置きで販売しています。


宮崎県上新田小学校.jpg

「創意工夫」の社是に則り、様々な商品を開発されているのですね。

 新商品開発こそ、これまで最も苦労した点であり、やりがいでもあります。私が最初に開発したのは、板張りの手間を省力化すべく、シングルと呼ばれる1枚のフローリングを2枚繋いだ幅広の"ワイド"という商品でした。しかしいざ発売してみると、最初は全く売れませんでした(苦笑)。「幅が広い分、反りも大きくなるから止めとけ」と反対する父を必死に説得し、2億円を投資して工場を建てたのに全然売れない。営業担当に話を聞くと、大工達も「反りが大きくなる」と、父と全く同じことを言うのですね()。しかし、私は「乾燥もしっかりしているし、絶対に反らない」という自信がありましたから、とにかく3坪でも5坪でもいいから売ってほしいと頭を下げて回りました。その内、大工さんがじゃあ試しに...と使ってみると、施工が早く、仕上りも綺麗で、心配していた反りもなく、1年後にはシングルよりもワイドの売り上げが伸び、大逆転しました。この時に得た経験知は、新商品開発に取り組む際の礎となりましたね。その後も、合板の張り替え用に厚みの薄い"スリム"や、床暖房時にフローリングの隙間が目立たないよう、板の継ぎ目を斜めにスロープ加工した床暖房専用"ぽかぽかくん"など、様々な商品を送り出してきました。

振り返れば、商品ごとに人との出会いがあり、そこからアイディアが生まれ、ヒット作もあれば淘汰された商品もありと、悲喜こもごもの商品開発でしたが、常に父が言っていた「とにかく良い物を作れば絶対売れる。だから品質だけは何があっても落としてはいけない」という言葉は私の信念でもあり、創業時からの品質第一主義を貫いています。


日東工場内.JPG

それが会社の信用に繋がっているのですね。

 過去には「フローリングが反っている」と連絡を受け、即現場に駆け付けたことがありましたが、確認したところ施工の不備が判明し、当社の商品に問題はありませんでした。もちろん商品にミスがあれば謝罪しますが、品質には万全を期していますので、施工ミスを断言できるほど、商品には絶対の自信を持っています。お客様からも、1箱に10枚の商品が梱包されていたら、その内1枚くらいは不良品が混ざることもあるのですが、「日東の商品は10枚全て使える」とお墨付きをいただいており、当社の信用に繋がっているのだと感じています。



最後に展望を。

 もし、最初に父が着眼した木材が国外にもあるものであれば、安価な外材の煽りを受け、会社の存続自体が危ぶまれていたかもしれません。ですので、ヒノキに目を付けた父の先見性には非常に感謝しています。父は酒好きでしたが、どんなに深酒しても毎朝必ず5時に起きて誰よりも早く職場に行く姿はまるでスーパーマンのようで、それだけ「絶対成功させる」という強い気概を持っていたのだと思います。私も社長就任と共にその重責を背負い、様々な商品を開発し続け、今年で就任30周年を迎えますが、振り返ればあっという間でした。今年創業70周年を迎えますが、これからもフローリングメーカーとして「品質第一主義」を徹底し、今年中には息子に会社を引き継いで、100周年を迎えられたら嬉しく思います。


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