社会福祉法人信和会 特別養護老人ホーム幸楽荘

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 昨年、西都市に新たに誕生した特別養護老人ホーム幸楽荘。広々とした木造平屋建てで、施設内は温もりのある造りとなっている。こうしたハード面に加え、老健施設に最も必要なのは「職員の優しさや配慮」と話す施設長の外山英人氏に、今日は施設の概要から今後の展望までを伺った。


■新設の概要

―施設概要を。

外山 以前は当施設から5km程離れた場所に旧施設がありましたが、設立から34年が経過し、老朽化が進んでいたため、現在地に建て替えて昨年10月に新しくオープンしました。新施設は、敷地面積が13980㎡、延べ床面積4000㎡の広々とした造りになっております。施設内は県産材の杉をふんだんに使用し、転倒時の緩衝材としての役目の他、利用者やご家族から「ぬくもりを感じる」と評判も上々です。建て替えの際には、県の要望に沿って10個室の1ユニットを計4ユニット設置し、入所者の定員は65名、ショートステイは8名となっております。現在は満床となっており、未だ100人以上の待機がある状態です。

―開所のきっかけは。

外山 当社会福祉法人の成り立ちは昭和53年と古く、昭和54年の幸楽荘事業の開始をきっかけに、平成9年には別法人となる特別養護老人ホーム住之江事業が開始されました。その当時、施設の運営は私の義父が行っており、一方の私は細胞検査士という医療の仕事に従事していましたが、義父が病に伏せたことをきっかけに、未知の分野である福祉業界への挑戦に不安もありましたが、利用者や職員の行く末を案じ、引き受けることにしました。平成22年には、義弟が経営する特別養護老人ホーム住之江の法人と合併し、今は社会福祉法人信和会として、互いに交流を図りながら運営を行っています。

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■福祉への思い

―福祉の世界に入って色々と感じることがあるとか。

外山 近年は、在宅に近い状態でのユニットケアが重視されており、個室への需要が高まる一方で、多床室は敬遠されがちです。しかし、多床室と言えども、ケアの方法はあくまで1対1の個別ケアであり、集団ケアではありません。特に、最近は利用者様それぞれにケアプランが作成されているため、利用者や家族の意向に沿った本人専用のケアが可能です。そのため、国の推奨する個室の設置が必ずしも在宅に近いかと言うと、私はあまり当てはまらないのではないかと思います。それよりも、どれだけ利用者様の立場に立ったケアが出来るかどうか、といった職員の配慮や優しさ、気遣いこそが施設にとって何よりも大切なのではないかと思います。

―現場での介護職の重要性。

外山 現在、当施設にはケアマネージャー、管理栄養士、介護士など70名の職員がおりますが、まだ不足している状態です。中でも利用者様の日々の生活を支える介護職は、特老施設を支える大切な職種です。介護職員にとって、利用者様は人生経験の豊富な大先輩でありながら、認知症などの症状によって意思の疎通が困難な場合もあり、通り一遍の対応では満足いく介護が出来ません。こうした事態に備えるためにも、職員には常々勉強の必要性を説いています。今、福祉の世界では「科学する介護」と言われています。これは、実証された根拠のある介護作業を実行しましょう。という提言で、例えば高齢者に多い病気の種類から、利用者様の既往歴、起こり得るリスク等、利用者様を正しく理解し、専門的な知識を持った上で行う介護のことです。これにより、職員の専門性が向上するだけでなく、利用者様の事故や怪我の減少に繋がるうえ、円滑なコミュニケーションにも繋がります。ここにつまづくと、職員と利用者様相互のストレス増に繋がります。どんな職業もそうですが、対人に対するストレスは仕事に対する意欲を左右する大きな問題であり、こと介護の世界で感じるストレスは一層厳しいものです。それを回避するためにも、前述した"科学する介護"の実践を通して、まずは利用者様にまつわる情報を把握し、介護職のプロとして勉強を怠ることなく、自分が施設の中心であることを自覚し、誇りを持って仕事をしてほしいと思います。

■課題

―これから課題も待ちうけている。

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外山 現在、特老施設の待機人数は全国で約32万人ですが、団塊の世代が入所する2025年頃には約4050万人に上ると言われ、福祉業界では2025年問題と言われています。国内の福祉業界は人員不足が常態となり、どう補っていくのか。この問いに対して今盛んに取り組まれているのが外国人の雇用です。関東方面ではすでに受け入れ施設が多数存在していますが、地方ではほとんどありません。当施設でもまだそうした事例はありませんが、今後、英会話の可能な職員を配置する等の体制づくりを進め、現実的な対策として検討しきたいと考えています。もう一つは、介護士の資格を有しながら育児等で現場に出られないという職員の復帰を促すために、託児所の設置も検討しています。これに関しては、周囲の企業と連携した形での運営を模索しております。

介護職は容易な仕事ではありませんが、社会になくてはならない仕事です。少子高齢化の中、来るべき2025年問題に備えていくために、優秀な人材の確保を求めて、自身の手で学生たちを育成するということも思案しています。例えば現場の講師として当施設のスタッフを学校に派遣したり、他の施設や自治体と共同して講習会を開催するなど、現場に近い場を学生たちに提供します。入職後に理想と現実のギャップに苛まれる学生も少なくないので、座学では味わうことの出来ない介護の大変さ、喜び等を実際に体験してもらい、即戦力となるような人材の育成を図っていきたいと思います。

■今後の展望

―今後の展望を。

外山 今後も利用者の安心・安全を第一とした施設運営はもちろんですが、同時に、施設の財産である職員の幸せも大切だと感じています。職員ひとりひとりが満ち足りた生活を送ることが出来れば、おのずと施設全体の雰囲気が良くなり、利用者様の満足度の向上にも繋がります。これからも職員が働きやすい職場の環境づくりに尽力しながら、利用者様やご家族にとって「幸楽荘に入所して良かった」と思われるような施設を目指していきたいと思います。

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