JA串間市大束

| コメント(0) | トラックバック(0)
JA串間市大塚.jpg

「"さつまいも"と聞いて真っ先に浮かぶのは大束産。」という方は多いのではないだろうか。それほど認知度の高いさつまいもが管内の出荷量の大部分を占めるというJA串間市大束。今日は、JA串間市大束代表理事組合長の野邊守氏に、さつまいもの栽培が盛んな理由から、取り組んでいる事業、今後の展望までを伺った。

■組合概要

―組合の概要を。

野邊 当組合は昭和23年に設立され、現在の組合員数は正組合員654名、准組合員149名の計803名(25年度)になります。地区単位のJAということで、県内でも規模の小さいJAではありますが、「甘藷と言えば大束」といわれるほどヤマダイ甘藷の生産が盛んに行われており、管内全体の生産高の約7割強を甘藷が占めています。ピーク時は青果甘藷の取扱高が14000㌧で32億円以上もの売り上げを誇りましたが、現在は生産者の減少や天候等の問題により1万㌧弱程度で推移しております。また、甘藷に次いで、ハウス金柑やマンゴーなどの果樹、お茶等も盛んに生産が行われています。

■農産物

―なぜ大束地区では甘藷の栽培が盛んなのか。

野邊 栽培が開始されたのは昭和41年からですが、火山灰を含んだ黒土の土壌が甘藷栽培に適していたことが大きな理由です。次第に栽培面積が拡大していき、今では西日本で有数の一大産地へと成長しました。また、通常の野菜は生産時期が長くて半年程ですが、甘藷は一年中取り扱いが可能という点も大きな利点と言えます。

甘藷はミネラル、ビタミンC、食物繊維など豊富な栄養素を含み、実、葉、茎の全てが食用可能です。特に大束産の甘藷は、赤ダイヤと呼ばれる美しい赤色と、甘みが強くほっくりとした食感が特徴で、全国的な知名度を誇っています。

―果樹の栽培も盛ん。

野邊 甘藷の他、温暖な気候を活かしたハウス金柑の栽培も盛んです。実はハウス金柑の発祥は当組合であり、当時は露地栽培が一般的だったため、ハウスで金柑を栽培するという試みは周囲からあまり歓迎されませんでした。しかし当時の担当者の熱意によって組合独自の事業として栽培が開始され、温暖な気候が後押しとなり、懸念された重油の利用も少量ですみ、露地よりも糖度の高い金柑の栽培に成功しました。

近年でこそ宮崎県認証ブランドの「完熟金柑たまたま」が認知されてきましたが、売り出し始めた30年位前は、試食販売の際もなかなかお客様に足を止めてもらえませんでした。しかし、一度試食して頂くと、「これ金柑じゃないでしょ?」と皆さんが驚かれるほど、「完熟金柑たまたま」は糖度1617度を誇る甘い金柑として認知されるようになり、今では糖度18度以上の「完熟金柑たまたまエクセレント」も開発され、生食出来る果樹として定着しつつあります。

芋ザイル.JPG

■青年部の活躍

―青年部で面白い活動をしている。

野邊 当組合には"芋ザイル"と称して歌やダンスを披露する生産者のグループがいます。メンバーは6名で、平均年齢30歳という若手の集まりです。昨年の発足以来、各テレビ局や、JA大会、各種イベント、福祉施設の訪問等、様々な所にお呼ばれしており、その人気は串間市に留まりません。メンバーたちは農作業の合間に集合して練習をしていますが、予想以上にハードな練習で、グループ活動にばかり力が入らないか心配な面もありますが()、組合内から自発的に誕生したグループということで、若い生産者の勢いを摘まぬよう、組合全体で応援しています。7月に宮崎市で開催されるまつりえれこっちゃみやざき2013に参加予定ですので、ぜひ皆さん一度見に来られて下さい。なお、出演依頼もお待ちしています。

■抱える課題

―多くの課題がある中、急務の事案がある。

野邊 少子高齢化による組合員の減少は否めませんが、後継者に関しては多くの優秀な人材が育っています。問題としては、お嫁さんが少ないということです。どれだけ優秀な後継者がいても、そこに嫁ぐ女性がいなければ農家の生産性が落ちます。特に甘藷のような重量野菜は、50歳頃までは家族経営が可能ですが、両親の引退後に生産から出荷までを担当するのは非常に困難を極めます。結婚は男女の縁と言いますが、あまりそう言っていられない状況に組合としても非常に困惑しています。そこで、農業祭で独身女性を集めた男女混合のイベントの開催や、市内外の各企業への声かけ、県や市、JA中央会への対策の打診等を行っており、少しずつ成果が出てきているように感じます。串間市の農業存続のためにも、農業の良さを理解して頂ける女性の方々が増えることを願い、ぜひ今後も注力して取り組みたいと思います。

■独自の取り組み

―組合で様々な事業を展開している。

作業風景.JPG

野邊 ピーク時から減少している青果甘藷の取扱高を1万㌧台に戻そうと、繁忙期の農家の人手不足を補足する目的で、昨年11月、農家支援センターを立ち上げました。ここでは甘藷の仕分けや箱詰め等を担当し、1ヶ月5090㌧の出荷が可能です。今年1年間はセンターの実働状況を確認するための試験的な期間として、来年には作業場の拡張と貯蔵施設の新設を検討しており、ゆくゆくは年間出荷量1000㌧を目指したいと考えています。また、地域雇用の創出という面でも、最終的には30名の雇用を見込んでおり、地域貢献の一環として、市や県からもご支援を頂いております。将来的には、農家支援センターのオリジナル商品の開発を検討しており、その足掛かりとして、現在当センターから出荷する際は、一般生産者とは異なるオリジナルデザインの外箱を使用しています。今後、さらに体制を充足させ、"JA串間市大束農家支援センター"としての新たなブランドを確立していきたいと思います。

 もう一つの取り組みとして、六次産業化を目指した加工施設の立ち上げも計画しています。先日決起集会が終了し、すでに冷蔵庫等の設備機器の導入が完了しました。まだ構想段階ではありますが、例えば甘藷の回転焼など、串間市の特産品を有効活用した様々な加工食品を今後開発していきたいと思います。

■今後の展望

―最後に今後の展望。

野邊 平成28年には甘藷栽培が50周年を迎えます。まずは青果甘藷の取扱高1万㌧台を目標に、生産数の増加を図り、かつ、農産物の価格安定を目指し、最低でもキロ単価220円は確保したいと考えています。そのため当組合では、私達役職員が全国を回って直接バイヤーや仲卸業者と交渉し、産地主導の販売に尽力しています。日々生産者の苦労を身近に感じている私達だからこそ業者の方々にも訴えが響き、価格の底支えに繋がっていると実感しています。今後も直接商談を推進し、生産者の代弁者として全国各地に串間産の農産物の素晴らしさをPRしていきたいと思います。

―お忙しい中ありがとうございました。(聞き手・酒井里佳)

JA串間市概要.jpg

Categories

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: JA串間市大束

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.blog-journal.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/388

コメントする

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31