JA尾鈴

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未曾有の大災害となった口蹄疫から3年。尾鈴地区の生産者達は諦めずに立ち上がり、新生JA尾鈴を目指して奮闘を続けている。そこで今日は、尾鈴農業協同組合代表理事組合長河野康弘氏、畜産部部長の松浦寿勝氏、直売所産直おすず村店長杉尾重美氏に、それぞれ現在の状況を伺った。

代表理事組合長 河野康弘氏

■概要

JA尾鈴の概要を。

河野 JA尾鈴は、昭和50年、都農町農協と川南町農協が合併して設立されました。組合員数は正組合員2717名、準組合員2486名の計5203名になります。山と海に囲まれた自然豊かな土地で気候も温暖なため、管内では果実や花卉、園芸野菜など、多数の特産品が生産されています。中でも宮崎県のブランドに認定されている作物が15品目あり、県内13JAの中では最も多いと言えます。皆様ご存じのとおり、3年前の口蹄疫によって販売高の6割を占めいていた家畜は淘汰され、畜産は壊滅的な打撃を受けました。以来復興を目指して全員一丸となって邁進してまいりました。

―現在の復興状況は。

河野 口蹄疫後、とにかく少しでも早い復興を目指し、今ようやく畜産全体の戸数ベースで54%、頭数ベースで67%まで回復しました。今後も農家の経営再開は推進していきますが、これからは若い生産者に地域の原動力となってもらい、畜産を盛り上げてほしいと考えています。

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―目指す方向性は。

河野 家畜が0になったということは、いわば尾鈴地域は無菌状態にあると言え、今後はクリーンな畜産を行う新生JA尾鈴としてPRしていきたいと考えています。実際に口蹄疫後に導入した家畜の成長は非常に早く、出荷が早まり、餌の量も少なくて済みます。

また、現在、一部の養豚農家ではエコフィードに取り組んでいます。これはコンビニ等で廃棄処分された物を飼料に配合するという取り組みです。餌の高騰、枝肉価格の低下など、苦しい状況に打ち勝つためにも、組合員と職員の連携を図り、先手を打って課題に取り組んで行きたいと思います。

■農産物

―農産物の生産も盛んですね。

河野 平成13年から宮崎県が推進するみやざきブランド認定の農産物づくりにおいて、県内では最多となる、エコキュウリ、エコトマト、洋種かぼちゃ、サニールージュ(ぶどう)など15種類の作物がブランド認定されています。口蹄疫後、畜産から露地野菜生産へ転換した農家も多数おり、今後は畜産だけでなく露地野菜の振興にも力を注ぎ、農業全体の振興へと繋げていきたいと考えています。

また、農薬の削減にも努めており、過剰な肥料の投与を避け、適正な施肥を行うことで、生きた土づくり、地球にやさしい野菜づくりに尽力しています。全国の消費者に進んで宮崎産の農産物を手に取ってもらえるよう、さらに魅力ある農産物生産に取り組みたいと思います。

■独自の直売所

―おすず村について。

河野 産直おすず村は、生産者が直接農産物を販売できる場所が必要という女性部からの要望が発端となり、当敷地内の旧機械センターを改装し平成13年に産直おすず村としてオープンしました。運営は全て生産者の方々にお任せしており、毎日新鮮な野菜や加工品等が持ち寄られ、それほど規模の大きな直売所ではありませんが、年商約3億を売り上げる人気のお店です。ぜひ皆様足を運んでみて下さい。

■今後の展望

―今後の展望を。

河野 これまで口蹄疫復興を唱えながら一心不乱に駆け抜け、ようやく一息つくことが出来た今、もう一度原点に立ち返り、私達は組合員の為の組合でなければならないと強く感じています。皆で一緒に再興してきた尾鈴地区の農業を、そして生産者の皆様を守っていくためにも、この思いを忘れることなく、これからも地域一体となって盛り上げていきたいと思います。


畜産部部長 松浦寿勝氏

―復興に向けての取り組みを。

松浦 口蹄疫前と比較して、農家の経営再開はほぼ完了し、皆さん新たな畜産経営をしたいという気概を持って取り組まれています。中でも、以前から懸案事項だった疾病対策に関して、全頭殺処分という辛く厳しい事態を逆手に取り、これからは新たに病気を持ちこまないようにしようと、特定疾病フリー地域づくりを進め、復興後の素豚は東北や北関東など病気のない地域から厳選して導入を進めています。家畜農家全員が同じ苦しみを味わったからこそ、全員が〝病気のない新しい畜産を〟という共通認識のもとに取り組んでいることが一番の復興対策かと思います。

―復興状況は。

松浦 畜産全体の復興率は、繁殖牛戸数50%・頭数49%、肥育牛戸数110%・頭数61%、酪農戸数79%・頭数99%、養豚56%・頭数85%となっております。大規模農場や後継者のいる農場では復興が早く進む一方、高齢の方や小規模農家の中には再開を断念された方が多く、特に繁殖牛農家は、60歳以上の方が65%を占め、家畜を失った悲しみや、経営再開から出荷までの期間が2年と長期であること、2年前の韓国の口蹄疫の大流行や、TPP問題、餌代高騰など、再開を躊躇せざるを得ない状況があります。

そんな中、宮崎牛が連覇を果たした昨年の全国和牛共進会で、最も不利な状況の中、三区の若雌部門で管内の生産者が日本一に輝き、非常に勇気づけられるニュースとなりました。他の畜種でも、昨年11月、県の枝肉共進会で管内の生産者が出品した肉豚が優等賞主席、そして今年2月の経済連主催の共進会では肉牛が主席、さらに県の乳質協例会では当農協が団体賞を獲得など、全ての畜種で県一、日本一を獲得しており、口蹄疫からの復興が目に見える形で実を結んでいます。

―今後の展望

松浦 口蹄疫という深く辛い悲しみを経験してなお、挑戦を続ける生産者達は、皆で助け合って進んでいこうという絆で強く結ばれています。昨年から全畜種の販売が可能になりましたので、今年は生産力を高めながら、さらに販売を強化し、地域が元気になることが全国への恩返しという思いで、口蹄疫以前のように、尾鈴地域を再び畜産で元気づけられるよう全員で邁進していきたいと思います。


直売所産直おすず村店長 杉尾重美氏

―お店の特徴を。

杉尾 当店は、川南町と都農町で生産された農産物等を生産者からの委託という形で販売しています。店内には毎日100種類以上の商品が並び、県内でも指折りの品数を誇ります。会員数は470名以上の登録があり、〝旬〟を販売する店として、毎日品物の入れ替えを行っています。当店ではチラシ等をほとんど配布しておりませんが、開店当初はレジに並ぶ人々の列が店外まで続く程のご盛況を頂き、毎日ありがたい悲鳴を上げていました。その頃に比べると、今では客数は少し落ち着いてきましたが、それでも年間3億弱を売り上げる直売所は、県内はもとより全国でも珍しい店だと思います。

―売り場に工夫がある。

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杉尾 例えばただ野菜を置くだけでなく、分量を書いたり、レシピを飾るなど、作り手の思いが見える販売を心掛け、買い手の立場に立った売り場作りを行っています。また、毎月、通常より割安に商品価格を設定した〝感謝祭〟も開催しています。当初は月1回の開催でしたが、あまりの問合せの多さから月2回の開催になり、感謝祭に合わせて仕事を休まれる方もいらっしゃる程です。当日は開店から1時間程は店内を歩くことすら出来ない程多くのお客さまで賑わいます。

―今後の展望を。

杉尾 私には立ち上げ時からの夢があります。それは、地元で収穫された生産物を地元の子ども達に食べてもらう本当の地産地消を叶えたいというものです。そして今、学校からの要望が増えてきており、少しずつですが、着実に夢の実現に向かっています。

 また、私が一番楽しみにしているのが、自分の出品した物が完売した時の出品者のにこっとした笑顔です。高い技術力をもつ生産者の優れた商品を分かりやすく紹介し、より多くの方々に購入して頂くことが、これからも私の使命だと思っています。

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