きらり農場高木

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 多くの農家が抱える後継者不足や、放棄地の増加問題。これらの難問に挑み、安定した生産量の確保を実現させ、さらに、今なお農地を拡大し続けているのが、都城市高木町にある農事組合法人きらり農場高木だ。
 今日は同組合設立の経緯から今後の展望に至るまで、代表理事組合長の中之丸新郎氏に伺った。

―農場設立の経緯を。

中之丸 私自身、以前から農業を営んでおり、都城市の高木地区で米や大豆の栽培、牛の肥育等を行っておりました。平成17年には、縁があって市議会議員に選出され、地域の発展を目指して奔走していた頃、周囲の農家の皆様から「農業が出来なくなったから農地を誰かに預けたい」という声を頻繁に聞くようになりました。地域の高齢化が進み、後継者不足が深刻化する中、農地を手放す人がさらに増えていくことは明らかなことであり、放棄地の担い手となる組織を設立するべく議員を辞職し、平成18年に当組合法人を設立しました。当初は18haの田から開始しましたが、年々地域の皆様からご理解・ご協力を頂くようになり、現在では農地面積205ha、さらに今なお年間10haずつ増加しています。

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―田の内訳は。

中之丸 生産する作物別に挙げますと、水稲66.5ha、バレイショ25ha、大豆50ha、飼料作物40ha、焼酎の原料となる甘藷11ha、里芋6.5ha、ほうれん草6ha、となります。転作によって田の使用が二回転、作物によっては三回転可能であり、土地利用効率が非常によく、荒廃した土地はほとんどありません。

―運営方法は。

中之丸 当組合は、推進組織である高木農事振興会を中心に、組合員から提供された農用地を一括管理・運営し、作業員の方々へ労賃を支払って、作業の委託を行い、収穫した作物は全てJA都城へ出荷しています。

―組合の特徴を。

中之丸 「高木集落の農業は集落全体で守る、そして組合員全員で働いて全員で稼ぐ」という気概の元、10アールあたりの小作料を相対小作料の倍以上支給するなど、作業量によって所得が増加する仕組みを整備し、また、組合員の皆様が安心して働ける環境づくりにも配慮し、法人化によって、社会・労災保険、厚生年金、退職金制度を完備し、安定的な所得確保にも努めています。特に当組合では3040代の就農希望者が多く、雇用制度の充実によって雇用機会の創出にも繋がっていると感じています。さらに、団地化(※1)や土地利用集積(※2)の推進によって機械作業の効率化や労働時間の短縮を図り、生産コストの削減を実現しています。こうした取り組みは国や県、市の補助事業の対象となり、様々な優遇措置が講じられますので、事業の有効活用によって、機械の購入や倉庫の増設などを行い、さらなる収益性の向上に繋げています。

(※1)団地化・・・田をまとめること。きらり農場高木では、大豆や里芋などの戦略作物の団地化に積極的に取り組んでいる。

(※2)土地利用集積・・・面的なまとまりをつくる。

―法人の展開はあるのか。

中之丸 未だこうした形態の農事組合法人は全国でも少ないのが現状です。というのも、

いざ組織の立ち上げを検討した場合、地域の状況や協力体制、資金面、労力面など、クリアすべき問題が多数存在するからです。当組合も立ち上げ時は幾多の課題がありましたが、先代の役員の方々の御尽力や、地域の農業を守りたいという断固とした思いに地域の皆さんが共感し、ご協力を頂いたことで、これほどの規模拡大に繋がったのだと思います。ありがたいことに、当組合をモデルケースとして全国から視察に来られる方も多く、高木地区集落の農家の皆さんの頑張りが全国に認知される良い機会となり、大変嬉しく感じています。

―これからは六次産業化に向かう。

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中之丸 組合内の16名の女性で作る女性部があり、県内で開催される各種イベントの際に、組合生産の農産品を使用した加工食品を販売しており、昨年都城市の10号線沿いにオープンしたJA朝霧の里では店舗前にブースを設置し、女性部が主体となって、おから入りのがねを毎日販売しています。こうした取り組みをさらに拡大させるため、組合の敷地内に加工施設を計画しており、今年度中の完成を見込んでいます。新施設では、カット野菜などの原料素材や、コロッケ、天ぷらなどの加工品、味噌などの発酵食品など、様々な種類の加工品製造を計画しています。体制が整い次第、六次産業化に軸足を置き、今後加工・販売を積極的に推進していく予定です。

―最後に今後の展望を。

中之丸 私は、組合設立当初から「給料を月給制にする」という夢を抱いてきました。農業は自然との闘いですので、安定した収量をあげることはそう簡単なことではありませんが、毎月決まった給料がもらえることで、就業者は楽しみながら働くことができ、将来の夢にも繋がります。その実現に向けて、今後はさらなるコストの低減や生産力の安定を図り、さらには若者の就農を支援できるような体制を作っていきたいと思います。

 ありがたいことに地域の皆様から「きらり農場が出来て本当に良かった」というお声を多々頂き、私も組合設立の目標が少なからず達成できたのではと喜ぶ次第です。これからも地域の皆様と力を合わせて、高木地区の農業の継続・発展を推進していきたいと思います。

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