みやざき的健康な家づくり

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 私達の人生の約半分を過ごすと言われている家。間取りやこだわった家に住みたいのは当たり前だが、問題になっている化学物質による「シックハウス症候群」などただ住みやすさだけを求めるのは、ちょっと考える所もある。そこで、快適な住まいに加え住環境にも配慮した住宅作りに、確固たる理念の下、健康住宅作りに取り組む宮崎県の工務店に視点き、宮崎県において健康住宅づくりのパイオニアである有限会社浜砂住建代表取締役浜砂学氏、有限会社バリア・フリー工房代表取締役高橋龍次氏にお話を伺った。

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■有限会社浜砂住建

『空気のうまい家づくりで子どもを守る』

―協会について。

濵砂 世の中には"健康"と謳う住宅が無数に存在しますが、果たしてそれが本当に健康な住宅なのか、その真偽に疑問を抱いたところが原点となり、出来るだけお客様に透明性を持って真実を伝えていきたい、お客様にとって本当に"健康"と胸を張れるような家づくりをしよう、という気概を持って発足した協会です。現在、宮崎県内には当社を含め4社が登録し、自然素材の活用を推進することで健康被害を起こさない家づくりを目指しています。

―家づくりへの思い。

濵砂 平成12年の設立以来、ひたすら「本当の健康住宅とは」を考え、ひた走ってきました。一般的に耳にする"健康"が、実は100%の健康ではないと気付いた時、そのことをどんなに周囲に叫んでもなかなか受け入れられず、当時は非常に苦しい思いをしました。しかし、私が本当のことを伝えなければ、困るのは他の誰でもないお客様であり、そして次の世代を担う子ども達です。もし、人生の半分を過ごす家で健康を害することがあれば、これほど辛い事はありません。同じ家を作るなら健康被害を起こさない家を作りたい、その一心で、化学物質を発生させない本物の無垢材や、地元宮崎の県産材、化学物質を吸着分解する漆喰等の自然素材を使用し、また、環境問題に配慮した省エネ化など、心身共に健康を謳歌出来る家づくりを目指して今日まで突き進んできました。人によっては、一般の工務店が何故そこまでこだわるのか、と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、弊社を支えて下さっているのは、私の思いに共感し、ご依頼いただくお客様です。お金を頂いて仕事をする以上、本当のことを伝えないのはお客様にとって不正を働く事となんら変わりません。デザイン性や利便性はもちろんですが、本当にお客様の為の良い家とは、やはり健康を守る家だと確信しています。

NPO法人にも加盟されているとか。

濵砂 これからはもう一歩考えを進めて、健常者にとってだけではなく、高齢者や障害を抱えた方の為の住まいづくりを考える、NPO法人CRS(ケアリフォームシステム)研究会に昨年の6月に加盟しました。これは、高齢者や障害者の方に対して、住宅の新築や改築を行うことによって、本人の自立を促したり、介護者の負担を軽減するという目的で住宅づくりを手掛けている団体です。これまでお客様の健康を考えた家づくりを行ってきましたが、ふと周囲を見渡すと、少子高齢化の波は速度を増し、高齢者の死因の36%が家の中であると言われ、健常者だけでなく、高齢者や障害を抱える人々にとっての健康な家づくりも必要なのではないかと考えるようになりました。当研究会の家づくりは、高齢者や障害を抱える方の残存能力に注目し、その部分を活かすことで自立した生活が送れることを目的としています。例えば、左半身が麻痺状態の方の場合、右半分の能力を活かしながら少しでも自分の力で生活ができるように、家の中でリハビリが出来るような施設の設置や、介護が容易になるような福祉設備の導入など、ご本人の尊厳を尊重しつつ自立を促せる家づくりが大切です。小さな一歩を自分の力で踏み出すことが出来れば、「もっと自分の力で○○したい」という意欲がわき、人生をもっと楽しむことができるようになります。この活動は全国に広まっており、すでにいくつもの成功事例が生まれています。今後、施設の訪問活動等をしながら、ぜひ多くの方に知ってもらいたいと思います。

―最後に。

濵砂 私に出来ることは、健康な家をつくることと、真実をみなさんに訴え続けることです。何も知らずに家を建てるよりも、事実を知り、納得したうえで最良の選択をしてほしいと思います。家の健康はもちろん、次の世代を生きる子ども達の健康を守るために、そして少しでも困っている方々の助けになれるように、これからも"健康"を突き詰めた家づくりに邁進していきたいと思います。

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■有限会社バリア・フリー工房

『どんな家ではなくどんな暮らしがしたいを創造』

―高橋社長の考える家づくりとは。

高橋 家とは何かと考えた時に、私は「す」が大切だと感じています。これは、「住」まいであったり、「素」で居られる空間であったり、家族が集う「棲」であったりと、様々な漢字が当てはまりますが、これら全てが家本来の姿です。家の中心は家族であり、家づくりは家族のストーリーをつくるものです。よく「こんな家に住みたい。」と御相談に来られる方もいらっしゃいますが、家づくりはゴールではなく通過点であり、その家の中でどういう暮らしをするか、そこが大切です。どんな家を建てるかではなく、家の中でどんな暮らしをしたいか、そこを考える所から家づくりが始まります。

―どのような家づくりを。

高橋 私の家づくりは、まず地域ごとの太陽の光を計算する所から始まります。太陽の光には角度があり、宮崎県では最も高い時が83度、最も低い時が冬至の64度です。弊社では新築時に家を真南に向けることで、太陽光の管理をすることが出来ます。例えば夏の暑い日、窓から直射日光が入ると部屋の温度は上昇します。そこで、夏の太陽は真西よりも北側に10度沈むことを勘案し、西日を入れないように西の窓の外側に常緑落葉樹を植えると直射日光を防ぐことが出来ます。一方、南側の窓の外に落葉樹を植えると、冬は沢山の日光が室内に降り注ぐようになります。さらに、太陽光を最も効率的に遮ることが出来るのは、宮崎の家に昔から設置されてきた軒や庇です。ほとんどの古民家には長い軒が設置され、太陽の動きに合わせて自然と日射しがコントロールされていました。

 次に、風の流れを計算します。宮崎の風は70%が西から吹くと言われており、風の出入り口となる場所に窓を設置するだけで天然の送風機が出来上がります。夏には青々と茂った木の間を風が通り抜け、涼しい空気が室内を通り抜けます。

地域に合わせた太陽の角度や風の流れを見ながら、自然のエネルギーをどれだけ家の中に取り込むことができるかを考えると、自然と部屋の間取り等が決定し、家の中で、季節を感じながら季節に負担を感じない暮らしが出来上がります。

―素材にもこだわっている。

高橋 家づくりの際には、前述した自然エネルギーの利用と共に使用する素材も大切です。弊社の家は、全て廃棄後に自然にかえるオーガニック素材を使用しており、地球に負担を与えないものは、人にも負担を与えることはありません。素材例としては、羊毛から作られた調湿性の高い断熱材や、1000度で燃焼した貝殻に粉末状の海藻を混ぜた漆喰、また木材は宮崎県産の杉を使用しています。これらの生きている素材を使用することで、家自体が水分調湿や空気の浄化をすることによって、住む人に最も快適な住まいを作りだしてくれ、まるで自然の中にいるようなリラックスした生活を送ることができます。家は生きものですから、素材は全て生きている物、それも、なるべく地元で育った住む人の環境に合った素材を使用することが望ましいと言えます。

―今後の家づくり。

高橋 今の日本の家の寿命は2735年と言われていますが、私の思う家は、100年以上住み続けられなければならないと思います。住む人が年を重ねるにつれて、家にも家族の歴史が積み重なって味わいが増し、古美(ふるび)ていくのです。例えば京都の町並みを思い出してもらうと分かりやすいかもしれません。何百年の年月が経ちながら、古くなるのではなく、古く美しくなっていくのです。そのためには、住む人自身のメンテナンスが必要です。弊社の作る家は、金物が見える造りになっており、御自身で家の状態を確認し、メンテナンスすることができます。自身で家の手入れが出来れば、より家を大切にする気持ちが芽生え、人や物も大切にするようになります。そして、そんな親の姿を見ながら育った子供は、同じように物を大切にするようになるのです。お客様にはよく「背比べの跡を残しておいて下さい。」とお伝えするのですが、子供が成長した時に、その傷を通して世代を超えた父と子供の会話が生まれます。家とはそうした親から子へ、子から孫へ受け継がれていくことが大切であり、家族が家族として機能しあうことこそ本当の健康な家であると思います。

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