東臼杵郡市畜産農業協同組合連合会

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 宮崎県の基幹産業である農業。その所得の約6割を占めるのが畜産である。多大な被害を被った口蹄疫から早2年。多くの悲しみを乗り越え、着実に復興へと向かう中、牛のセリを行う東臼杵郡市畜産農業協同組合連合会に伺い、参事吉田茂氏と、会長米良正秋氏に復興への足取りを伺った。

■畜連概要

―畜連の沿革を。

吉田 当会は195111月に設立され、今年で61年目を迎えます。元々は南部(日向市場)と北部(延岡市場)の二つの市場がありましたが、昭和56年、当畜連の完成を持って、東臼杵全体のセリが1カ所で行われるようになりました。当会は、2市(延岡・日向)2町(門川・美郷)2村(諸塚・椎葉)によって構成され、他の連合会と比べるとカバー地域が広範囲に渡ります。管内には椎葉村や諸塚村等の中山間地域が広く含まれており、林業と畜産、農業と畜産など、兼業農家が多数存在しているのが当会の特徴です。1戸当たりの飼育頭数も1~4頭の農家が全体の6割弱、5~10頭が2割と、全体の8割は小規模な畜産を行っている農家で構成されています。

―畜連の活動を。

吉田 当会では成牛・子牛のセリの他、施設の管理や、品評会の開催、子牛の登記書作成など様々な業務を遂行しています。以前は豚のセリも行っておりましたが、平成2年のオーエスキー病の発生に伴い中止しました。敷地内には当会事務所の他、セリの開始前に牛を留める係留所と、セリ後の牛を一時的に預かる追い込み牛舎があります。毎月12日に成牛、奇数月に子牛のセリを行い、5月期のセリ市には12県から32団体、郡外からは16団体が来場しました。

 

■セリ市場

―セリの具体的な流れを。

吉田 まず、生産者が飼育する繁殖母牛に種付け・交配をし、出産後810ヶ月程の子牛が当市場に出荷され、セリが開始されます。そこで県外や郡内外の購入者が肉牛や繁殖牛の素牛として子牛を購買します。セリに出す子牛は生後12カ月以内という制限があり、高額で落札されるためには発育の良さ、体型、そして血統等が重視されます。主な販売先は佐賀県、三重県、熊本県、滋賀県と続き、それぞれ佐賀牛、松坂牛、熊本牛、近江牛の素牛となります。

―宮崎の牛が全国の素牛に。優秀な牛たちですね。

吉田 前回行われた第九回全国和牛能力共進会では全国一位の座を獲得しました。繁殖農家が丹精込めて飼育した宮崎牛は全国でも特に評判がよく、本年行われる第十回全国和牛能力共進会の出品に向けて努力しているところです。枝肉は肉付の良さをAC、肉質の良さを1~5に分類し、さらに"さし"と呼ばれる霜降りの脂肪をBMS(ビーフマーブリングスタンダオード)によって112に分類し、最高級の肉質と言われるのがA5等級でBMS12番の枝肉となります。私も一度食べたことがありますが、本当においしいですよ。

―セリの価格に変動はあるか。

吉田 価格の変動は景気に左右されますので、大不況と言われる昨今、大変厳しいと言えるかもしれませんが、農家のたゆまぬ努力のおかげで、近年少しずつですが上昇しています。今後早急な景気の回復を願うばかりです。

 

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■畜産業の課題

2年前には宮崎の畜産を語る上で重大な出来事である口蹄疫が発生しました。

吉田 平成22年4月に口蹄疫が発生し、管内ではワクチン接種圏に該当した地区(美々津地区)の牛たちが母牛350頭、子牛261頭が殺処分され、当時は非常に辛い思いをしました。口蹄疫前には管内全体で母牛が6500頭、飼養農家は983戸存在しましたが、現在では母牛が5648頭、飼養農家は795戸まで減少しました。特に、現在でも美々津地区は口蹄疫以前の半分以下となる120頭しか回復出来ておらず、復興に向けた様々な対策は行われていますが、残された爪跡はいまだ深く刻まれています。さらに、被害にあった美々津地区に関わらず、口蹄疫以来、管内全ての飼育母牛数が毎年減少しています。

―原因は。

吉田 様々な要因がありますが、まず一つ目は畜産にかかる諸経費の問題です。豚や鳥などの中小動物に比べて、牛は1頭の仕入れに40~50万円と多額の投資費用がかかるため、新たに畜産を始めようとすると、ある程度の資金を保持していないと難しいと言えます。次に、もし母牛を仕入れたと仮定した場合、種付けからセリ出荷に至るまで18カ月という長い年月がかかり、自らの収入に繋がるまでには長い時間を要することになります。こうした費用面での不安だけでなく、農家の高齢化なども絶えず叫ばれており、当管内の年齢別飼養戸数も60代以上の生産者が70%以上と、後継者の育成が急務となっております。

―飼育農家数を増やす取り組みは。

吉田 先述したとおり、中山間地域での畜産は林業や稲作等と組み合わせた兼業農家が多数散在し、1戸当たりの飼育頭数が5頭以下の農家が8割を占めます。ですが、こうした小規模農家の力を結集することで、中山間地域の活性化が図られます。畜産は農業所得の約6割を占める、農業にとって最も大きな牽引力です。特に管内では林業に従事する生産者が多数存在しますが、木材価格が下落している今、農業所得を補うためにも畜産の活性化を図ることで相互を高め合うことが出来ます。現在、宮崎県の農業素収入は次第に減少しており、このままの状態が続けば5年後には大きく所得が減少することも考えられます。宮崎の畜産が崩壊すれば、全国の牛の産地の消失にも繋がりますので、現状を悲観するだけではなく、宮崎県は全国の牛の供給基地として、頭数をしっかり確保し、供給していく体制を作らなければならないと考えています。

 

■今後の展望

―最後に今後の展望を。

吉田 これからどれだけ不況の波が訪れたとしても、農業という大きな柱を中心に、中山間地域の生産者が連携し、機能しあえば、地域全体が活性化します。その農業を牽引するのが、我々の担う畜産です。畜産は、肉牛の販売はもちろん、牛糞を堆肥化して土に還元することでオーガニックな農業を推進することも可能です。中山間地域の農業の活性化を目指して、より強力な東臼杵郡独自の畜産を確立していきたいと思います。

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