細島港を核としたグランドデザイン

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 宮崎県の経済や産業を支える重要港湾「細島港」。本年3月に新たな岸壁の整備が現地着工され、5月には2基目となる大型荷役機会が設置された。平成25年度には、東九州自動車道延岡―宮崎間の開通が予定されている。これらの社会インフラの整備は、日向氏のみならず、宮崎県の姿を大きく変える起爆剤のとなりうる。
 昨年、日向市は市制60周年を迎え、新たな成長戦略を描く「細島港を核としたグランドデザイン」を策定し、地域の発展に向けた様々な取り組みを始めている。そこで、今回は日向市や細島港に携わる様々な人々を取材した。

細島港俯瞰写真.jpg黒木市長コメント.jpg

○充実した航路網

現在、細島港には、コンテナ船による定期航路として、韓国(釜山港・週3便)、台湾(高雄港及び基隆港・週1便)、フィリピン(マニラ港・週1便)があるほか、神戸港(週2便)などにおいて積み替えることにより、世界各地の港と結ばれている。また、陸上を走行したトラックなどがそのまま船に乗り込むことが可能なRORO船の定期航路により、関東(東京港・週2便)、関西(堺泉北港・週3便)と結ばれており、国内の大都市圏と宮崎がダイレクトに接続されている。

宮崎県の海の玄関である細島港は、港湾の整備や高速道路の開通により、ますます利便性が向上する。海外との定期航路が多いことや、大都市圏への海上距離が九州の港湾のなかで最も距離が短いこともあり、トラックなどによる陸上輸送から、細島港を経由した海上輸送に切り替えることにより、企業の物流の効率化やコスト削減、温室効果ガス削減に大きく寄与することが可能である。

定期航路グラフ.jpg

また県などは、これらの航路を活用して、宮崎県産の農産品などの輸出拡大にも力を入れている。本年4月には、県産の甘藷(かんしょ)を積んだ実証コンテナが細島港よりシンガポールに向けて輸出された。輸送コストをはじめ、鮮度保持などに必要な輸送時間や輸送品質などの検証を行った。県は試験輸送を行った八興運輸やJA宮崎経済連などに対し、費用の一部を助成するなど、積極的に支援を行っている。

7月12日には、細島港において、河野知事をはじめ多数の来賓が出席してのガントリークレーン増設の竣工式を行うとともに、日向市内において県主催のポートセミナーを開催。細島港をはじめ宮崎県の港湾の積極的な利用を呼び掛けたいとのことだ。

 

○進む企業立地

細島港は、県内の産業・経済を支えているが、細島港の臨海部にも40社を超える企業が立地している。

なかでも、旭化成イーマテリアルズ株式会社ハイポア日向工場は、リチウムイオン二次電池の部材(セパレーター)を生産しており、同社は世界シェアの約5割を占めている。市場の急速な発展に伴い、昨年10月には第4系列目の工場増設に関する立地調印が、県の立会いのもと、市との間で交わされた。

また、東ソー日向株式会社は、アルカリ乾電池の正極材原料などに使用される電解二酸化マンガンを製造しており、同社グループで国内シェアの8割、世界シェアの2割を占めている。こちらも、車載用二次電池などの更なる市場拡大を見込み、本年2月にリチウムイオン二次電池などの正極材原料となる化学合成法マンガン酸化物を製造する新たな工場の立地調印が、本年2月に交わされた。

さらに、東郷メディキット株式会社日向工場は、人工透析用の留置針などの医療機器を製造しており、特に安全留置針については国内シェアの約5割を占めているなど、東九州メディカルバレー構想の一翼も担っている。

これらのほかにも、細島港臨海部には数多くの企業が集積し、積極的な生産活動が続けられている。市や県は、細島港の利便性や交通網の充実、また宮崎県の自然環境などを積極的にアピールし、更なる企業誘致を進めていく方針だ。

 

○増加するクルーズ客船

今年は、細島港に数多くの外国クルーズ客船が入港している。特に、イタリアのコスタ・クルーズ社が運航する中国上海港を発着するコスタ・ビクトリア(75166トン)は、2000人を超える乗客を乗せ、5月から細島港に入港。観光バス約50台に分乗し、日向市内をはじめ高千穂や青島といった県内各地の観光を楽しんだ。また、日向市内のショッピングセンターでの買い物がコースとして設定されるなど、その経済効果は大きい。9月~10月にも入港が予定されている。岸壁に係留された白く巨大な姿は圧巻だ。

細島港には、クルーズ船の他にも自衛艦や練習船の帆船なども数多く入港している。入港時には、港に多くの市民が見物に訪れ、乗組員は上陸して市民と交流し、しばしの休息を楽しんでいる。

港とともに経済・産業が発展し、市民が集う場所となる。細島港の姿は多様で、将来を期待せずにはいられないと感じた。

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