喫煙・受動喫煙による健康被害を考えよう!

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 毎年5月31日は世界禁煙デーとして、世界中で禁煙に関する啓もう活動が行われている。そこで、今日は宮崎大学安全衛生保健センター準教授医学博士江藤敏治先生に、禁煙にまつわる様々なお話を伺ってきました。

■喫煙者数の変化

―増税以来、禁煙を巡る状況に変化はありましたか。

江藤 201010月にタバコが増税となり、喫煙者数は厚生労働省やJTのデータを見ても確実に減少しました。一方で、径の細いタバコや香り付タバコ、一見するとタバコには見えないような華やかなパッケージのものなど、明らかに若い女性をターゲットとしたタバコが数多く販売されるようになり、成人男性の喫煙率が18年間減少し続けているのに対して、成人女性の喫煙率はほぼ横ばいです。女性の喫煙は本人だけでなく、妊娠時の胎児への影響などもあり、国内はもとより世界中で大きな問題として取り組まれています。

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■禁煙治療について

―様々な禁煙方法がありますが、禁煙しやすい方法と言えば。

江藤 やはり医師と一緒に行う禁煙治療が一番の近道だと思います。というのも、禁煙治療が保険適用になった背景には、喫煙はニコチン依存症という病気であり、禁煙イコール病気の治療です。そのため、禁煙に意思の強さは全く関係ありません。

禁煙を開始するにあたって大切なのは、まず自らの喫煙特性を知ることです。例えば、夕食後やストレスを感じた時など、毎日の喫煙パターンを書き出し、自分がいつ「吸いたい」と感じるのかを把握します。そして「吸いたい」と感じた時にどう気を紛らわすことが出来るか、これが重要です。もし、喫煙をストレス発散と捉えている場合、禁煙をすることによって発散の場を失うことになり、どれだけ補助剤を使用してもタバコを強く欲するようになってしまいます。さらに最悪の場合、ギャンブルや酒など別の依存症を引き起こす場合もあるのです。そうした事態を避けるために、例えば、夕食後はすぐに席を立つようにするなど、喫煙の代替行動を決定しておくと「吸いたい」欲求に対して落ち着いて対処することが出来ます。

 次に大切なのは周囲の応援です。ほとんどの喫煙者はタバコの害を知りながら「自分に禁煙なんか出来るはずがない。」と、自らに対して否定的な感情を抱いています。そうした思いを受け止め、くさすことなく心から応援してくれる存在がいると、成功率は格段にアップし、禁煙が成功した暁には本人の自信にも繋がります。

■受動喫煙の真実

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―喫煙者の禁煙はもちろん、受動喫煙についても問題視されていますね。

江藤 受動喫煙はマナーの問題ではなく、明確に健康被害を及ぼす実害です。普段目に見えるタバコの煙はわずか3.3%で、残りの96.7%は目に見えないガス成分(一酸化炭素などの有害物質)としてその場に残っており、空気清浄機を使用してもガス相は浄化されません。「タバコの臭いがする」と感じたら、すでに副流煙にさらされているのです。副流煙は主流煙に比べて発がん物質や有害物質が何倍も多く、例えば夫(喫煙者)が120本吸った場合、妻(禁煙者)の肺がん死亡リスクは約2倍にもなります。海外では副流煙をセカンドハンドスモーク「第二の手で吸うタバコ」と呼び、肺がん、大腸がん、脳腫瘍、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、そして妊婦や子どもさんに対しては乳幼児突然死症候群、流産、先天奇形、小児がんなど、喫煙者が背負う健康被害と同じリスクを非喫煙者も被ります。

■愛のある禁煙を

―最後に喫煙者へのアドバイスを。

江藤 喫煙者の多くは、周囲に迷惑をかけないようにと戸外や換気扇の下で吸います。こうした他人を思いやりながら行う喫煙行為は、すでに禁煙に対する行動変容が起きている状態です。実際に禁煙治療に訪れる方の中にも「妊娠を期に」「孫のために」と愛する人の為を思って受診に来られる方が多数いらっしゃいます。私は常々、禁煙は自分への愛情、そして周囲からの愛情が大切だと患者さんに伝えています。禁煙を通して自分の喫煙に対する行動特性を理解し、新たな生き方や価値観の再構築を治療の最終目標に定め、愛する人々と一緒に、そして信頼できる医師と一緒に、愛情いっぱいの頑張らない禁煙をぜひ始めてみてください。

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