宮崎空港ビル株式会社

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 『陸の孤島』―。総称された宮崎の"大地に絵を描く"ことで数々の観光地を創出し、一躍「観光宮崎」を全国区へと発展させた"宮崎観光の父"岩切章太郎氏。その岩切氏が初代社長に就任したのがここ、宮崎空港ビル株式会社である。
 岩切氏の遺志を引き継ぎ、今や「日本一のローカル空港」と呼ばれる宮崎空港を管理する宮崎空港ビル株式会社 代表取締役 長濵保廣氏に、岩切章太郎氏との出会いから同社内での様々な取り組み、そして今後の展望までを伺った。
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【岩切章太郎氏との出会い】

―宮崎観光の父と呼ばれる、岩切章太郎翁について、お聞かせください。

今から四十数年前、私が宮崎空港ビルに入社した当時の社長(初代)が岩切章太郎翁でございましたので、おもてなしや仕事について考え方などを学ばせていただきました。その一つに、空港のお食事というのがあります。当時、多くの要人の方々が宮崎空港に来られる中で、お食事を召し上がる機会も多くございました。そのようなとき、ご自身がご接待されるのですが、お客様が前日に召し上がられた食事や行程を調べ、重ならないような献立を用意するなど、おもてなしに大変気遣っておられたことを覚えています。それから、岩切会長の単語帳という思い出もあります。1970年頃のこと、空港ビルの増改築工事の会議の際、数名が岩切会長(当時)のご自宅に呼ばれました。私たちが色々と会長にご報告申し上げる中で、会長はふと単語帳を取り出し、このように言われました「私は高齢になって物を忘れることが増えた。だから私は数字や大事なことは単語帳に書き込んで、何度も読み返しをして、しっかり覚えるようにしている。年を重ねた私が、こういう努力をしているが、君たちはどうか。」と、そんなふうにお話されました。それから、「会社の報告を受けたときに、良い話なのか、悪い話なのかは、自分のものさし(基準)を持っていなくてはならない、君たちは若くてこれからなのだから、しっかり勉強するように。」ともおっしゃいました。当時私は入社したての新人でしたので、岩切会長と直接お話することができたのは、その時の一度きりだったのですが、大変感激し、会議の後お食事をご馳走になったことや、おはぎをいただいたことも、今でも鮮明に覚えています。そのように、岩切会長の、繊細なおもてなしの心や観光事業への熱意などに、少しでもふれることができたのは大変幸せなことでした。そして、もちろんそれ以来、私は今でも単語帳を使っております。航空や空港の事業についても、岩切会長は情熱をお持ちでした。当時から宮崎は陸の孤島と呼ばれ、空港は県外のお客様を迎えるために、重要な施設でした。そのため、航空大学校の誘致や航空機の路線誘致に積極的に取り組まれ、観光宮崎の発展にご尽力されました。

―今も空港ビルにはその思いは引き継がれていますか

岩切会長は「大地に絵を描く」をモットーに宮崎の観光を育てておられましたが、私どもでは、会長が大好きだったブーゲンビリアを育て空港を彩ると同時に、花のある街づくりの一環として、たくさんの方々に空港にお集まりいただき、抽選にて毎年500本をプレゼントさせていただいています。最近では、宮崎の街に大きく育ったブーゲンビリアをたくさん見かけますが、大変感慨深いものです。それから、もうすぐプロ野球やJリーグのキャンプシーズンとなりますが、その時には宮崎に来られるお客様に無料で、地図や交通情報を掲載したキャンプガイドマップを15万部以上お配りいたしております。そのように、お客様の目線で、観光のお手伝いをさせていただきたいと思っています。

 

【日本一のローカル空港】

―交通の便が不整備な中、宮崎空港は早くから設備が整えられていましたね。

 昭和37年の設立以来、41年にはローカル空港初のジェット機就航と管制のレーダー化、平成8年にはローカル空港として全国初の空港連絡鉄道宮崎空港線が開通、また空港内に日本で初めて設けられたイベント会場では全国でも珍しい本格的コンサート「エアポート・ナイトライヴ」が開催され、昨年10月には31回目の開催となりました。他にも意外と知られていませんが、屋外の駐車場と空港を繋ぐ歩道にひさしが設置されたのも、実は全国初の試みでした。今となってはほとんどの空港に設置されていますが、当時は雨天時に駐車場から走って来られるお客様を見て、なんとかひさしを設置出来ないものかと国交省に要請に行きましたが、「前例がない」として却下され続けました。しかし足繁く通い続けることで、平成2年、全国で初めてひさしつき歩道が設置されました。運が良いのか悪いのか、完成式典当日に雨が降り、その下で式典を行ったことも今となっては良い思い出です。

2009年から新たな試みとして女性店長の配置を始めたそうですが。

近頃、旅行先でのお土産購入は、ご近所や会社の同僚に配るといった習慣も次第に薄れるなど、お土産事情も変化してまいりました。そこで、よりお客様のニーズに即した商品の販売が求められる中、新商品の開発だけでなく、お客様の声に最も近い現場の声を取り入れた商品の確保が必要だと考え、直営の売店とレストラン13店舗全ての店長に現場の女性社員を起用しました。以来、ミーティングが積極的に行われ、社員同士の意志の疎通もスムーズになるなど、売り場自体も女性ならではの活気溢れる賑やかな店舗へとなりました。さらに、商品の充実を図るために、もっと宮崎の良い物を探しだそうと、椎葉や高千穂など中山間地域の婦人会等で作られた地場産品を見出し、当社のデザイン専門の女性社員がパッケージ等を手掛け、新しいブランドとして売店内で販売しています。このように地域の皆様と二人三脚で協力しあいながら、県内の様々な「ほんもの」が空港に集まることで、生産者の方や旅行者の方にとっても楽しく、魅力のある売り場づくりが実現できつつあるのではないかと思います。しかし、まだまだ県内には素晴らしい商品があるかと思いますので、もし県内で販売等にお悩みの方やおすすめの商品がございましたら、是非一度空港まで御相談頂けると幸いです。

昨年は飫肥杉で作られた手荷物検査場が話題になりました。

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 宮崎PRの一環として、樹齢100年前後の飫肥杉を20本以上使用して作られた手荷物検査場は、平成23年度の全国優良木造施設として表彰を頂きました。検査場に木材を使用するのはもちろん全国初の試みで、明るく優しいデザインをテーマに、窓枠の美しいステンドグラス、木材の香り、鳥のさえずり、花屋みどりなどがお客様の心を和ませてくれます。そして新しい検査場の整備と共に、配置された係員の制服を一新し、帽子も廃止するなど、警備会社の方々にもご協力をいただきました。リゾート宮崎らしい爽やかな制服は、見た目の変化はもちろん、検査場全体の雰囲気にも大きく貢献しています。これまで手荷物検査場といえば、空港の中でも一番ストレスを感じる場所でしたので、なんとかお客様に快適な旅行をご提供するための場所となるよう工夫するとともに、係員のサービスもグレードアップし、お客様にとって心地よい空間の演出に繋がったと思います。以来、全国の空港から見学に訪れる方が増え、当検査場の応対は宮崎空港を発信源とした日本の空港の新モデルになるのではないかと考えています。

 

【宮崎空港ビルが目指すもの】

―地域との関わりは。

 地域の方々の情報を空港から発信していくこと、これこそが地方空港の役割だと考え、

地域に密着した空港づくりに取り組んでいます。先述した新ブランドの掘り起こしを始め、オアシス広場を利用した多彩なイベントや物産展の開催、またビルの1階にはチャレンジショップを設け、販売にお悩みの方に約1ヶ月単位で販売スペースをご提供しています。それは、私達自身がお客様のニーズを把握できる貴重な場でありますし、この取り組みによって空港内にはいつも新鮮な風が吹きこまれ、お客様にとっても「空港は楽しい場所」だと感じて頂ければ大変ありがたく思います。

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―津波時の一時避難所としての役割も担っているとか。

昨年10月に津波発生時に一時避難施設として空港を使用できるよう宮崎市と協定を結びました。空港が避難場所となり、地域の安全を守る意味でも、災害時においてもお役に立てるのは大変嬉しいことだと思います。

 

【今後の展望】

―最後に今後の展望を。

世界の経済不況が続く中、航空業界も苦戦を強いられています。宮崎におきましても、口蹄疫や鳥インフルエンザ、新燃岳の噴火、東日本大震災等、問題は後を絶えません。当空港もピーク時から約120万人もの乗客減少が起こる中でどのように健全経営をしていくか。こういう厳しい時だからこそ知恵を絞り、社員ひとりひとりが経営意識を持って、お客様とのコミュニケーションを大事にしていかなければなりません。

私は初代社長から数えて6代目となりますが、これまで歴代の社長には、新ターミナルや国際線施設などハード面の整備をして頂きましたので、私に与えられた使命は、より一層のソフト面の充実です。おもてなしの心を社員に継承していきながら、規模は小さくとも、地域と密着した日本一のローカル空港を目指して参りたいと思います。そして安全性、利便性の充実を図り、全てのお客様に楽しさを感じて頂き、地域のみなさまが、郷土の誇りと思っていただけるような空港づくりを行っていきたいと思います。

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