フュージョン株式会社

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 養鶏業と共に生きてきた日本人。対生き物を相手に、安定した供給を求めるのは幾分か無理というものだ。しかし、天候や気候、病気などを言い訳にせず、毎日安定した量を生産し続ける。なぜなら「養鶏業は製造業ですから。」そう言いきるのはフュージョン株式会社の代表取締役社長・赤木八寿夫氏だ。
 2010年9月、同社は都城市に新たに鶏卵パック工場(GPセンター)を稼働させ、都城市の誘致企業に認定された。最新機器を導入し、年間50億円の売り上げを目指す。今日はこの新工場を案内してもらいながら、前述した言葉の意から新工場の役割、そして今後の展望などを伺った。

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■「養鶏業は製造業」背景

―「養鶏業は製造業」この言葉の真意は。

赤木 こうした考えを抱くようになったのは学生時代からです。家業は元々養鶏を営んでおり、養鶏の世界を広げるために大学卒業後に渡米しました。そこで経営学修士(MBA)の資格を取得後、ビジネスの観点から日本の養鶏システムを見直した時、どれだけのクオリティの物をどれだけのコストでどれだけ販売するか、という生産の基準にふと疑問を感じました。当時から「日本の農業は儲からない」という定説が根強くある中、「人間が食物を摂取する以上農業は絶対なくならない」とまで思えるのになぜ儲からないのか。と考えた時に、それは生産、販売の方法や、クオリティとコスト面に問題があるのではと感じるようになりました。消費者の求めているものは何なのか?まずそれを知ること。安さなのか?品質なのか?またコスト削減イコール何かをなくすのではなく、品質を上げることで無駄をなくし、結果コストが下がるのが消費者、生産者双方に嬉しいことではないのか?

そう考えた時に、農業であろうとも物を製造しているのは間違いないのですから、品質測定やコスト評価を正確な数値で見極め、クオリティとコストのバランスを測定し、システマチックに農業を行う必要がある。ここから「農業は製造業」という一つの概念が生まれました。

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―確かに物を製造するという点では製造業であることに変わりはありません。また緻密な作業を必要とされる製造業になぞらえられるほど卵の品質基準はとても厳しいとか。

赤木 日本の卵のクオリティは世界でも知られていますし、品質基準や衛生基準は世界で最も厳しいと言えます。そもそも卵を生で食べるという習慣自体が日本の卵の安全性や新鮮さを物語っています。加工の段階で衛生基準のために卵の殻を洗浄するのは日本だけですし、洗浄に関しても塩素濃度や水温度等の基準点が細かく定められています。また日本の卵はサルモネラ菌や大腸菌等の検査基準が圧倒的に厳しく、賞味期限も2週間程度と非常に短いですが、一方の海外では火を通して食べるのが一般的ですので、こうした検査は重要視されず、賞味期限も1カ月以上と非常に長く設定されています。

 

■新工場の役割

―昨年9月に操業を開始したGPセンターですが、この工場の役割は。

赤木 この工場には2つの役割があると考えています。一つは卵をパックして出荷するという加工工場としての一面、もう一つは農場での生産状況が正しい状態にあるかを分析する検査場としての側面です。この工場では農場から持ち込まれた卵の洗浄殺菌、ひび割れや汚れの画像判定、透過検卵、サイズごとの選別、保管に至るまで、全て機器によって自動的に行われ、その処理スピードは1200万個程になります。この稼働率を100%発揮するためには、ひび割れや汚れのあるB級品を産出しないよう、どの時点で損失が発生したのかを突き止め、改善しなければなりません。そこで工場で得られたデータを全て農場にフィードバックし、B級品を発生さないような飼育方法へ改良していきます。農場の生産性が上がれば工場の稼働率も必然的に上がり、当社にとってプラスなことはもちろん、消費者にとっても今以上に安心安全な卵の提供が可能になります。トレーサイビリティの点からも生産、加工、販売と一貫して製造できる体制は当社の強みと言えるかもしれません。

 

■農業の社会的地位向上に向けて

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―地元の雇用創出にも大きく寄与されていますね。どのような人材の育成に取り組まれていますか。

赤木 クオリティ&コストコントロールを公言する以上、与えられた業務をただこなすだけでなく、その業務の必要性やデータがもたらす結果を理解し、コミュニケーションを取りながら農場へのフィードバック、そして不良点の改善に至るまで、全ての仕組みを理解したうえで、さらにお客様の満足が当社の利益とどう繋がるのかまで熟考できる人材を育成していかなければなりません。構造を正確に理解し、実際に遂行できる人材が揃えば養鶏業、ひいては日本の農業全般の社会的地位もさらに向上するのではないかと思います。

 

■今後の展望

―最後に今後の展望を。

赤木 昔から「良い卵を安く買いたい」という消費者の要求は変化しませんが、「良い卵」、つまりクオリティの基準は時代と共に変化しています。今後、もし消費者にとって「高くても品質のより良い卵が良い」と言われればそちらにシフトしていくかもしれませんし、1kg当たり100500円と種類別の卵をラインナップするかもしれません。お客様にとってのベストこそが当社の目指す道で、当社の将来はお客様が決定すると言っても過言ではありません。これからは「良い卵=フュージョン製」というクオリティ基準が成立するような卵の製造を目指して、クオリティ&コストを追求し続けていきたいと思います。

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