旭有機材工業株式会社

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 合成樹脂を抜きにしては、現代社会は考えられません。日用品をはじめ、家電、IT、自動車、建材、プラントなどあらゆる分野で活用され、経済の土台を支えています。

 合成樹脂のパイオニアとして知られる旭有機材工業株式会社は、昭和20年に延岡市で創立され、戦後の動乱の中、合成樹脂を中心とする化学工業へと転換を図り、昭和27年には、世界で初めて硬質塩化ビニル樹脂によるバルブを開発しました。また、昭和29年には、後に同社を代表する製品となるフェノール樹脂を用いた精密鋳造用シェルモードレジンの製造を開始。今では、国内外のトップブランドとして大きく成長を遂げ、グローバル企業として世界市場のなかでさらに挑戦を続けています。

 宮崎県内にある、シェア日本一企業のお話を伺おうと、JR浜松町駅前の世界貿易センタービル内の同社・東京本社を訪れ、亀井啓次社長にインタビューした。

―地方企業からグローバル企業へと目覚ましい躍進を果たしましが、簡単に沿革を。

亀井 当社は、戦時下の昭和20年3月に延岡市の旭化成レーヨン工場内に旭化成株式会社(当時は日窒化学工業株式会社)と地元の森林組合が協力して日窒航材工業株式会社として発足した会社です。事業内容としては、社名の示すとおり戦争末期で金属などの物資が乏しくなってきていましたので、飛行機の主材として宮崎県産の杉が使えないかと、航空機用強化木の製造を目的としていました。しかし日ならずして終戦を迎えたため事業内容を変更し、同年11月には商号を旭ベニア工業株式会社と改め、フェノール樹脂成形材料、合成樹脂成形品ならびに合板の製造販売を目的とする事業に転換しました。当社のブランドとして使っている「AV」マークはその時の社名の頭文字からとったものです。その後、合成樹脂を事業の主体とし、昭和25年に商号を旭有機材工業株式会社に改称し現在に至っています。

 

―現在の事業内容は。

亀井 塩ビ製バルブをはじめとした管材システム事業と、フェノール樹脂事業が屋台骨といいますか、基幹事業ですね。

 

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―塩ビ製バルブは、世界で初めて御社が開発したものですね。

亀井 ええ。昭和27年、旭化成のソーダガスを造っている工場から金属製のバブルが腐って困るとの相談があり開発に取り組み、世界で初めてとなる硬質塩化ビニル樹脂バルブ「アサヒAVバブル」を販売開始し、現在に至るまでトップシェアを維持しています。その後、昭和48年には塩ビ製パイプの製造も開始して製品群を拡充しました。プラスチック製アサヒAV配管材料は、耐熱、耐寒、耐食、耐薬品、耐磨耗に優れ、また、強靭・軽量であることから、様々な分野で活用されています。例えば薬液、純水などを通す半導体製造装置向け、水処理装置、プラントエンジニアリングなどですね。また、ジョージア水族館やドバイなどの世界最大級の水族館でも、当社の配管材料が使用されています。

 

―メイドイン延岡の製品が世界の各地、各分野で活用されていると聞くと嬉しいですね。次にフェノール樹脂事業のお話を...。

亀井 全体売上げ高の約3分の1が樹脂事業です。その中の7割~8割が鋳造用の事業となっています。どういうことかと云いますと、昭和29年から製造販売している樹脂、シェルモールドレジンが、自動車のエンジンや機械の金属部品などの鋳物を作るときに使う砂型の材料に欠かせないものになっています。ちょっと説明が難しいのですが、特に複雑な形状の鋳物の中空部を作る時には砂で中子を作ります。その砂と砂を接着させる接着剤の役目を果たすのがシェルモールドレジンで、合板接着剤の製法から生まれました。その後、昭和38年からは珪砂を一粒ずつシェルモールドレジンでコーティングしたレジンコーテッドサンドも製造しています。鋳型・鋳物というのは昔からある古い技術なんですね。それが今でも使われて自動車産業を支えている。もっとも現在では高度化していまして、当社もリーディングカンパニーとして鋳物精度や生産性を向上させる製品を次々と開発し、鋳造用フェノール樹脂も国内トップシェアとなっています。

 

―古代からある技術が、樹脂と結びついて産業社会を支えているのですね。ところで新製品の紹介を...。

亀井 配管システム事業部では、半導体製造装置に組み込まれる精密配管材料で超音波流量計とバルブをシステム連動させたスラリー流量制御ユニットを、昨年8月に販売開始しました。ご存じだと思いますけど、半導体を製造するにはシリコンに何層にも配線を重ね、洗浄を繰り返すなど、ものすごい数の工程があるのですね。また幾種類もの液体を使います。その際、液体が均一に流れないと性能にばらつきが生じてきます。そこで微細なコントロールで、流量を制御する技術が求められています。販売開始から間もないのでこれからですが、日本や韓国の半導体メーカーからは大変高い評価を頂いています。今後を期待している製品です。日本が誇るハイテクノロジーの最先端システム商品、こういったもので勝ち残っていかなければならないだろうと思いますねぇ~。

 

―樹脂事業部では、どうですか。

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亀井 新規事業として期待しているのは断熱材なんです。これからは省エネでね。断熱性と気密性にすぐれた省エネ住宅へのニーズはますます高まっていきます。今、工場で断熱材を作って建築現場まで運んでいますでしょう。家一軒分だけでも大変な量になります。運送だけでも結構なCO2がでますしね。そこで原料の液体だけ持っていって現場で直接施工面に吹き付けて断熱材を作るのです。現場発泡システムと云いますが、

今までもあったのですよ。ただフロンや代替フロンを使うのですね。私共の製品はゼロフロンと云いまして炭酸ガスで発泡させるのです。

―へぇ~。それは新しい技術なんですか?

亀井 世界初です。3年前からビル用には販売していましたが、昨年の夏から一般家庭用にも販売開始しました。断熱性能も優れていまして完全なノンフロンでありながら、住宅支援機構が定めるEランクに相当します。またゼロフロンERは地球温暖化の抑止と建設分野におけるグリーン購入の拡大に貢献することが期待される点が評価され、第13回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞審査員会特別賞と第12回グリーン購入大賞審査員会特別賞を受賞しています。これは事業の新しい柱として、2015年に売上げ70億円の規模に育てる目標を掲げています。

―新しいことに次々と挑戦されているのですね。創業の地でもある延岡へのメッセージは?

亀井 私は宮崎が大好きなんですよ。当社は延岡には65年間にわたってお世話なっていますし、延岡市の方々に育ててもらってきたと思っています。ご恩返しをするには、雇用を守り地域経済に貢献することが一番ですよね。昨今の円高や製造業の空洞化など課題はありますが、延岡製造所がグローバルで通用する競争力を一段と高め、延岡発の製品が今まで以上に世界中で活用されるよう、私も尽力したいと思っています。

 

延岡本社.jpg―最後に、今後の抱負を。

亀井 弊社は企業理念の第1項に「人が主役です」というのがありましてね。それもあって昨年10月1日に「人財理念」というものを発表したのですよ。社員、管理職はどうあるべきか、会社はどうすべきか、という事柄を一枚のペーパーにまとめたものですが、一言で云うと「人は挑戦し続けよう、上司はそれを援助しよう、それによって人は成長していくのだと、また会社は全力で支えます」と云うことです。当社は前向きに成長してくれる人が本当に財産なんです。これまでの製品を創り出してくれたのも人なんです。今後、新しい製品を産みだしてくれるのも人なんです。当社は物づくりの企業ですが、まず、人づくりに邁進していきたと思っています。



―素晴らしいお言葉で締め括っていただきまして有難うございました。亀井社長のご活躍を期待いたします。
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