いちごの防除について

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いちご防除.jpg
 たわわに実った野菜の収穫が最盛期を迎えるこの時期は、一方で冬場の作物であるいちごの収量を左右する大切な時期でもある。そこでいちご栽培におけるこの時期の防除方法について宮崎県農政水産部営農支援課の黒木修一氏にお話を伺った。
イチゴ炭そ病株.jpg

■8~9月の傾向

今年の夏は猛暑と叫ばれながらも例年ほど暑さが突出することもなく、中途半端な気温が続いています。こういった環境下では積乱雲が発生しやすく、雨が増加するため、病気が発生しやすい状況だと言えます。また89月は夏野菜の収穫が一段落を終え、空いた田や畑では秋きゅうりや来春頃の収穫を見越したらっきょうやねぎなどの栽培が始まります。しかし先述したとおり、気象庁の3ヶ月予報でも雨が平年並から多い予報となっていますので、病害虫が発生する前からの計画的、かつ多様な物理的、耕種的、化学的、生物的防除手段と組み合わせた防除が大切です。

 

■いちごの防除は夏季が最も重要

炭疽病に感染した茎(断面図)の腐れ.jpg

中でもこの時期特に留意して頂きたいのがいちごの防除です。いちごは苗がしっかりと成長すれば栽培の半分は成功したといえるほど、苗の栽培が非常に重要ですが、いちごの苗は種からでなく親株からランナーを分けて栽培を行うため、親株が病気に罹患していると、相当数の苗も罹患していることとなり、収量を下げる大きな原因になります。そのため、親株からの対策が極めて重要です。そして8月になると親株から苗を切り分ける時期になります。この時期に注意したいのが、炭疽病や疫病などの病気です。炭疽病・疫病とも高温多湿時や降雨後に発生が増加し、病斑の発生や、立枯れ、萎凋枯死といった症状を引き起こします。そのためこの時期はローテーションでの薬剤散布や適度な栽培密度の保持、そして冠水をさけるために十分な排水対策を行うなど、病気を発生させないための環境づくりを徹底して下さい。また、炭疽病や疫病、萎黄病などは土壌伝染しますので、以前発生した土壌は苗用の土に繰り返し使用しないようにして下さい。もし病気を発見した際には、発病株に隣接した苗には感染している可能性が高いため、速やかに株の除去を行い、病気の広がりを抑制するようにして下さい。罹患した恐れのある苗は捨てる、苗床の近くに放っておかないことを心がけましょう。

 

炭疽病の初期病斑(黒点).jpg

■生産者へのアドバイス

いちごに限らず、夏の野菜作全般に言えることですが、8~9月は台風の発生率が高くなるため、通過前後の防除対策が非常に重要です。通過前には雨水の侵入や強風被害を防止するための対策をしっかりと行い、通過後は銅剤等による損傷部の保護や速やかな排水を行い、被害の拡大を抑えるようにして下さい。また台風に限らず、作物の栽培は季節や天候によって左右されます。草勢や作物の成長を確認しながら、産地ごとに定められた防除暦に沿って確実な予防・防除を行って下さい。

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