2011国際森林年

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 2011年は国連が定める「国際森林年」だ。"森を歩こう"というテーマに沿って、世界各地で森林に関するイベントが開催されている。ここ宮崎県でも、綾町の照葉樹林プロジェクトを始めとする様々な企画が計画され、森林について再考する良い機会となっている。

そこで今日は、国際森林年にちなみ、宮崎の森林についての問題点や展望など、宮崎森林管理署の署長工藤篤氏に話を伺った。

■森林管理署概要

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―まずは宮崎森林管理署の概要を。

工藤 宮崎森林管理署は、宮崎市、小林市、国富町、綾町の2市2町が有する国有林47000haを管轄しており、約6割がスギ・ヒノキの人工林で、残りの4割がシイ・カシを代表とする常緑広葉樹の天然林です。森林は国土保全、水資源の涵養など公益的な役割の他に、二酸化炭素を吸収固定し地球温暖化防止に貢献、生物多様性の保全、木材資源の生産拠点など多面的な機能を備えており、当署管内の国有林の約8割は水源の涵養や国土保全を目的とした保安林に指定され、他にも自然公園や遺伝資源、植物群落保護を目的とする保護林など、公益林としての性格が強い事が特徴です。現在当管理署では、「国有林における国民参加の森林づくり」を目指しており、市民参加型の取り組みとして、〝綾照葉樹林プロジェクト〟、〝みんなで創ろう一つ葉の森林〟活動を推進しています。

―綾照葉樹林プロジェクトについて詳しく教えてください。

工藤 宮崎県中央部に位置する綾北川、綾南川流域には全国的にも貴重なシイ、カシ類の照葉樹林が多く残っており、点在する人工林も含め約2500haの規模を誇ります。この森林をかつての林層であった照葉樹林に復元するために20055月に国(九州森林管理局)、県(宮崎県)、地方自治体(綾町)、日本自然保護協会、てるはの森の会の5者が官民一体となって進めているのが「綾照葉樹林プロジェクト(通称・綾プロ)」です。復元の方法は、スギ、ヒノキの間伐を行いながら林内に光を入れることによって照葉樹を自然発生させ、この照葉樹が十分育った頃、スギ、ヒノキを除去し照葉樹林に誘導します。現在この一帯を森林生態系保護地域に指定し、保護林として保全管理計画を策定。野生動植物のモニタリング調査や復元事業などを進めている他、遊歩道整備などボランティア作業の導入、一般市民を対象とした森林環境教育なども実施しており、100年先を見据えたプロジェクトを進行中です。

■国・県の取り組み

―宮崎の森林の現状は。

工藤 木材の価格の低迷や、林業従事者の減少、鹿による食害被害など、宮崎県だけでなく、全国の森を巡る問題については様々な対策が検討されています。杉の生産量日本一を誇り、県土の76%が森林という豊富な資源に恵まれた宮崎県では、更なる木材の需要拡大や近年注目されているバイオマス事業の振興、若者の林業従事を補助する緑の雇用対策、そして森林の持つ癒し効果を利用した森林セラピーなど、国・県をあげた取り組みによって林業の活性化に貢献しています。

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―森林を巡る様々な問題を解決するために、平成21年林野庁より「森林・林業再生プラン」が策定されましたね。

工藤 国土の約7割(約2500万ha)が森林という日本ですが、その内1000万haは戦後造成された人工林で、その6割が今後10年間で50年生以上となり、本格的な木材利用が可能となりつつある状況です。一方、世界的には地球温暖化防止が喫緊の課題であり、環境に優しい木材の積極的な利用を通じて、林業や山村の活性化、低酸素社会を構築していく事が必要と云われています。これらを背景に、林野庁において平成21年末に「森林・林業再生プラン~コンクリート社会から木の社会へ~」が策定され、今後10年間に木材自給率を現行の26%から倍の50%以上に増加させることを目標に、路網の整備、森林施業の集約化、人材育成などの林業経営基盤づくりを進めるとともに、木材の安定供給と利用促進に必要な体制を構築するなど、我が国の森林・林業を早急に再生するための打開策として、プランの活用が大いに期待されます。

■林業の展望

―最後に今後の展望を。

工藤 山は国内に存在する唯一の資源であり、資源の有効活用は内需の拡大や、地域の雇用拡大に繋がります。また、山を守るという事は、山村に住む人々の生活を安定させ、過疎化を食い止める手立てにもなります。こうした様々な可能性を秘めた林業を今後さらに発展させるためにも、国有林を通して地域と共に貢献していきたいと思います。

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