全量買取制度

| コメント(0) | トラックバック(0)
全量買取制度.jpg
 全国3位の日照時間を誇る宮崎県では、その特性を活かし、近年太陽光発電が次第に普及してきている。現在家庭や工場等で発電した電気は、まず自身宅で使用し、余った余剰分を国や電力会社が買い取るという「余剰買取制度」に基づき売買が行われている。しかし最近新たに検討されているのが、余剰分関係なく、発電した全ての電気を買い取る「全量買取制度」だ。
 今回はこの全量買取制度の詳しい概要や注意点などを、宮崎大学工学部 電気電子工学科 電子基礎工学講座 准教授 吉野賢二氏に伺った。
都城学校給食センター.jpg

―全量買取制度とは?

吉野 全量買取制度の説明を行う前に、まず現行の制度からご説明したいと思います。現在、各家庭や工場などに設置されている太陽光発電は、発電した電気を自身の家庭や工場等で使用し、その余剰分を国が買い取るという「余剰買取制度」が実施されています。一方、新たに実施が予定されている「全量買取制度」とは、発電した電気を全て国が買い取り、自身が使用する電気は供給会社から購入するというものです。なお、買取の対象範囲については、現行の制度では①10kw未満48円/kw(余剰買取)、②10kw500kw未満24円/kw (余剰買取)、③500kw以上買取対象外となっていますが、新制度では、①48円/kw(余剰買取)、そして②③が共に全量買取制度に移行(買取価格は検討中)となっています。ただし、一般家庭の発電量は通常3kw、多い家庭でも45kw程度ですから、全量買取制度に移行したとしても、一般の家庭で行う太陽光発電に関しては、あまり影響がない制度だと言えるかもしれません。

―メリットと問題点を教えて下さい。

吉野 自家発電の際には太陽電池パネルだけでなく、発電した電気を蓄えるバッテリーや、電力変換装置など、設置の段階に多額の費用がかかります。そのため、10kw以上の発電を検討している工場、もしくはすでに大規模な発電装置が整備されている工場等では非常にメリットのある制度ではないかと思います。また、火力発電に代わる再生可能エネルギーとしても、今後導入を検討していく事が環境問題の視点からも優れていると言えます。

一方問題点としては、前述したように設備の設置に非常に費用がかかる点です。ですが最近では各メーカー間の競争によって、太陽光パネル価格の低下とともに性能の向上も期待されておりますし、太陽電池自体の維持費用はあまりかかりませんので、設置時の費用と発電による買取料のバランスを見据えて導入する事をお勧めします。

―宮崎大学にも太陽光発電システムが導入されていますね。

DSC_0193.jpg

吉野 宮崎大学では平成19年より企業と共同で「宮崎大学太陽光発電プロジェクト」と題した太陽光発電に関する様々な研究・事業に取り組んでいます。その一環として、学内に集光型太陽光発電システム(発電量28kW)、多結晶シリコン太陽電池(同50kW)、CIS系太陽電池(同100kW)、薄膜シリコン太陽電池(同1kW)を設置し、各システムの比較検討を行いながら出力特性のデータ収集や解析を行っています。なお、全システムの出力合計は181kwで、発電した電気は学内で使用しています。

―最後に、今後導入に際してどのような点に注意すればよいでしょうか。

吉野 現時点では正式な買取価格が決定していませんので、今後導入をお考えの方は、価格の動向に注意しながら十分に検討を行って下さい。また、経済産業省より詳細な情報が随時発表されていますので、そちらも併せてご確認頂けると良いかと思います。

太陽光発電は地球環境への負荷が少ない、化石燃料に代わる新しいエネルギーです。日照時間全国3位という宮崎県の優れた地の利を活かし、今後ますます太陽光発電が普及していくことを期待し、私も尽力していきたいと思います。

―お忙しい中ありがとうございました。(聞き手・酒井里佳)

Categories

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 全量買取制度

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.blog-journal.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/224

コメントする

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31