住友ゴム工業株式会社 宮崎工場

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分厚い雪に覆われた雪道、鬱蒼とした木々に囲まれた山道、そして綺麗にならされたコンクリート道。どんな道でも車が走り抜けられるのは、道路と車体を繋ぐ唯一の部品であるタイヤのお陰だ。日本で初めて国産タイヤが製造されたのは1913年。その後ラジアルタイヤと呼ばれる長寿命のタイヤや、走行音を限りなく抑えるタイヤなど、こらら全てのタイヤを日本で初めて開発・製造し、日本のタイヤ業界を牽引してきたのが住友ゴム工業株式会社だ。今回は世界でもトップレベルの生産性を誇り、海外輸出への重要な拠点として注目されるラジアルタイヤ専門工場の住友ゴム工業株式会社宮崎工場工場長杉本浩一氏に広くお話を伺った。


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★【住友ゴムグループについて】

―住友ゴムグループ宮崎工場の概要を。

藤本 住友ゴムグループは、タイヤ事業、スポーツ事業、ハイブリッド事業という3つの事業を柱としており、なかでも宮崎工場はラジアルタイヤを専門に製造しています。当工場のタイヤは約70%が北米や南米、アジア、中近東、欧州など世界各地に輸出されており、メイドイン宮崎のタイヤが世界中に広がっていると言えます。生産量は毎年約1600万本ですが、なかなか想像のつかない数字ですよね。2008年に国内で売れた新車が400万台弱あり、その全てに宮崎製のタイヤがついていると言い換えると分かりやすいかもしれません。これだけの生産量は世界でもトップレベルだと言えます。当工場で生産しているタイヤは1415インチの汎用タイヤだけでなく、17インチ以上のSUVや大口径等に使われるハイパフォーマンスタイヤや、速度300キロにも耐えられるスピードレンジの高いタイヤなど様々な種類を作っています。当社は国内4か所の工場で「ダンロップ」「ファルケン」「グッドイヤー」という3つのブランドタイヤを製造していますので、工場の規模は大きいですが多品種少量生産というのが特徴です。

当工場の敷地は268000㎡(宮崎市のサンマリンスタジアム約8個分以上)、従業員数は約1600人です。敷地内にはタイヤ生産工場と本館事務所の他に、元々走行のテストコースだった敷地を緑地にしたグラウンドゴルフ場や野球グラウンド、そしてダンロップやスリクソンブランドのゴルフクラブを作っている関連会社もあり、国内のダンロップ、スリクソンのクラブは全てここで作られています。

 

★【製造に関して】

1976年に誘致企業として操業を開始した御社ですが、タイヤの生産に関して県の環境はいかがですか?

藤本 宮崎県は優秀な労働力が多くあり、採用者の出身地は地元の都城市、宮崎県全域、熊本県人吉、鹿児島県大隅半島など南九州からの採用がほぼ100%です。そして霧島山脈に代表される良い地下水がたくさんあることや、港と空港、双方をつなぐ陸路が発達している点など周辺の環境面・物流面でも優れていると言えます。また、県の熱心な誘致活動も大きな後押しとなって宮崎県への進出を決定しました。誘致後も市や県の方々には大変お世話になっており、こうした協力体制は当工場にとって大変力強く感じております。

1日約46000本ものタイヤを製造していらっしゃるということですが、製造時に気を付けている事などは。

藤本 車と地面を繋ぐ唯一の部品であるタイヤには、四つの大きな使命があります。一つ目は車両や乗っている人達の重さを支える役割。二つ目は地面からの衝撃を緩和させる役割。三つ目はスタート時のエンジンから伝わった駆動を地面に伝えたり、ゴムの摩擦で地面をしっかりとらえて止まる制動の役割。四つ目は車の方向を変えたりまっすぐ進むことを維持するような、方向を決める役割です。これだけ重要な役割を持つタイヤだからこそ、少しの欠陥が大きな事故を招きます。タイヤは重要保安部品ですから、品質を保つためには非常に多くのリソースをつぎ込んでいます。従業員の品質に関する訓練や、毎朝の職長による現場パトロール、また万一不合格品が出た場合には細かく分析し、二度とこうしたタイヤが作られないよう技術スタッフや職長、作業員で品質改善活動も行っています。こうして出来上がったタイヤは最後に1本ずつ人の目で厳しくチェックを行います。メイドインジャパンの信頼性は、こうした安全・品質への徹底した配慮から作り上げられているのです。

―最近は「エコタイヤ」などエコ製品が盛んですね。

藤本 タイヤは車に関わる製品という事で、二酸化炭素とは切っても切れない関係です。そこで二酸化炭素を削減するために、車から排出される二酸化炭素を抑制する、つまり燃費を良くすること、タイヤ製造時の二酸化炭素排出を抑制すること、そして廃棄時の二酸化炭素を抑制すること、この三つを対策として実行しています。現在は石油系でない天然ゴムを使用した石油外資源97%の「エナセーブ」という商品がありますが、2013年には100%石油外資源で作られたタイヤの製造を目標に、現在も試行錯誤しながら開発を進めています。

 

★【環境・地域貢献】

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―「地域とともに」をモットーとされているようですが。

藤本 当工場では当社製品をご利用頂くお客様はもちろん、地域の皆様も大切なステークホルダーだと考えています。地域の運動会やお祭り、イベントなどに積極的に参加しながら皆様とコミュニケーションを図り、相互にインプット・アウトプットが出来るようなネットワークを広げていきたいと考えています。こうしたネットワークづくりの一環として、近年は工場内の緑地をグラウンドゴルフ場として開放したり、小学生の工場見学にも門戸を開きました。

また当工場では緑化活動にも力を入れており、現在は近隣の小学生や公民館とも協力しながらヒゴタイと言う絶滅危惧種植物の育成にチャレンジしています。他にも、杉林にどんぐりを植えることで森の保水力をあげ、昔の森に還そうという「どんぐり1000年の森」活動にも参加しています。植樹用に社内でドングリの苗を育て、イベント時にはプレゼントとしてお渡しすることもあります。大変喜ばれますよ。さらに2009年からは県の「企業の森林づくり」企画に参加し、「関之尾GENKIの森」への植樹活動を始めました。こうした活動が評価され、2010年の11月には名古屋で開催されたCOP10で「生物多様性保全につながる企業のみどり100選」に選出されました。非常に名誉な受賞であり、こらからも地域の皆さんとともに緑化活動を行いながら、地域に貢献できる企業でありたいと思います。

 

★【今後の展望】

―今後の展望をお聞かせ下さい。

藤本 国内のタイヤ市場は車の販売台数の伸びが懸念されていますが、世界のタイヤ市場は毎年3%の勢いで膨らんでいます。その中で住友ゴムグループがさらに成長路線を歩んでいくために、これからは海外(タイ、インドネシア、中国等)の生産量を倍に増やしていく、というのがグループとしての展望です。当社の理念である「go for value」が表す通り、先進性が当社のステータスです。世界で最初にタイヤを作ったのはダンロップですが、日本で最初にタイヤを作り、ラジアルタイヤを開発し、タイヤの中にスポンジを入れて音を静かにするという世界初の技術を開発したのは全て住友ゴムです。今後はさらなる新技術の開発とともに、海外に日本のモノづくりを伝えるために、こうした住友ゴムのモノづくり精神を受け継ぐ人材の育成が求められています。

そしてもう一つ、今後はさらにステークホルダーの枠を広げていきたいとも考えています。例えば障害を持った方の雇用をもっと拡大できないか、体力が劣る方でも働けるような工場とはどんなものだろうかなど、まだ掘り起こされていない潜在的な期待はきっとあると思います。これからも緑化活動や各種イベントに積極的に参加することで、地域の皆様とより深い信頼関係を築きながら、期待に応えられる企業でありたいと思います。

―お忙しい中ありがとうございました。(聞き手・酒井里佳)

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