松野工業株式会社(前編)

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 「ラムネ栓用玉の規格に沿った玉をA玉、それ以外をB玉」これがそのまま名前の由来になったというビー玉。今回はこのビー玉を日本で唯一製造する松野工業株式会社門川工場の工場長吉本忠光氏に、前後編に渡って知られざるビー玉製造についてのお話を幅広く伺った。

―まずは御社の概要を。

吉本 弊社はガラス製造メーカーとして1935年に創業しました。当門川工場は1986年に操業を開始し、今年で25年目を迎えます。営業品目は国内唯一の製造となるビー玉やおはじき、そしてグラスビーズ等です。創業以来同じものを作り続けていますが、現在でも品質向上が至上命令であり、同じ商品を作り続けることの難しさを痛感しています。同時にガラスという素材を扱うことの面白さも感じています。

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―製造方法は。

吉本 ビー玉とビーズは同じガラス製品ですが、製造方法が異なります。まずビー玉は、カレット(ガラス瓶の屑など)を融解炉で溶かし、流れてきたものをハサミで切り、回転する2つのローラーの間で転がすことで綺麗な球体へと成型されていきます。一方のビーズは、原料となる石粉やソーダ灰、着色剤などの粉末を溶解炉で溶かし、ビーズの素となるパイプを製造し、その後特殊な方法であの小さなビーズへと変化させます。この部分は企業秘密なので詳しくお話しできませんが(笑)。

―生産量は。

吉本 おはじきを含めたビー玉類が一月約6070トン、ビーズが一月約60トン弱になります。ビー玉はほとんどが国内への出荷ですが、逆にビーズはほとんどが海外へ輸出されます。

―用途は。

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吉本 ビー玉の用途は、まずラムネの栓用としてのラムネ玉です。皆さんが良く目にするラムネの中にあるビー玉は、実は弊社が製造している物も多いんですよ。また、塗料などのスプレー缶を振るとカランカランという音がするものがありますよね。実はこれも缶の中の塗料などを撹拌する為にビー玉を入れているのです。他にも昔ながらの玩具としての用途や、現在ではインテリアとしても使用されています。一方のビーズは、海外ではM.G.B.ブランドとして評価も高く、ドレスやバッグなどの装飾品として使われています。

―ビー玉やビーズの着色方法は。

吉本 ビー玉では2つ方法があります。一つは透明ガラスに色ガラスをかぶせる方法、もう一つは溶解炉の中の溶けた透明ガラスの中に着色原料を投入する方法です。透明ガラスの中に模様の入った商品もありますが、こちらは別に製造した模様となる色ガラスを透明ガラスの中に流し込むイメージで作られます。ビーズは粉末の原料を調合する段階で着色剤も混合されますので、これを溶かしてガラス化した時点で様々な色のガラスとなっています(高温でドロドロに溶けている時はどれも真っ赤にしか見えませんが)。

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―製造中割れることなどは。

吉本 製造過程において、割れたり傷が入ったりすることは避けられません。ビー玉のような球体はカメラなどで一方向から見るだけだと、傷の位置によっては見えない場合があり、昔から変わらず目視で検査を行い選別しています。そうして選別した規格外の物は再度溶かして商品としてリサイクルされたり、社内で別の用途に使われたりします。

―ほとんど知られていないビー玉やビーズの製造方法。後編は、その製造に対するこだわりや、生産に対する思いなどをお伺いします。(聞き手・酒井里佳)


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