有限会社協同ファーム

川南町で月に一度開催されるトロントロン軽トラ市。そこに昨年11月から1台の軽トラックが追加された...「まるみ豚」の精肉と豚ハンバーガーを販売する(有)協同ファームである。軽トラックとは思えないカフェ風の外観や、何よりもハンバーガーの美味しさに、わずか3度の出店にも関わらず毎回長蛇の列が出来るという。
今回はこの「まるみ豚」を生産する(有)協同ファームの日高義暢さんに、「まるみ豚」開発のきっかけから今後の展望までを伺った。
<まるみ豚ができるまで>
―まずは御社のご紹介を。
日高 当社は、約40年前に父・日高吉幸が建てた日高養豚場を前身として、平成9年より(有)協同ファームとして営業を開始しました。現在、12人のスタッフで頑張っています。
私に限って言いますと、大学卒業後に宮崎に帰省し、養豚の手伝いを始めました。元々は音楽やデザイン制作等が好きで、まさか養豚の道に進むことになるとは思っていませんでしたが(笑)、その時に培った感性がこの仕事にも少しずつ形として表れ、さらにお客様から反応を頂けるのは嬉しいですね。
―(有)協同ファームの設立当初は、まだ「まるみ豚」というブランドはなかったとか。開発のきっかけは。
日高 以前は川南町の直売所などで「(有)協同ファーム」の名前で豚肉を販売していました。そして販売を続けて3年、どうやらうちの豚は美味しいということに気付いたんです(笑)。というのも、ご購入頂く方が直売所だけに留まらず、県外から注文が入ったり、飲食店の方が使って下さったりと大変ご好評頂いたんです。そこで、「この豚に名前をつけて、しっかりブランドを確立したい!」という思いが強まりました。ちょうどその頃、当社で大変お世話になっているデザイナーの日高さんと私の姉から「まるみ豚っていう名前はどう?」と提案されたんです。ゴロも良く、覚えやすい名前でしたので「それでいこう!」と即決し、こうして平成21年に「まるみ豚」が誕生しました。それに伴い、一方的に「買ってほしい」と訴えるのではなく、消費者の方から興味を持って頂けるよう、イメージやデザインにこだわったホームページやギフトボックスを作成しました。もちろんそれらに注力出来るのも、自分達の豚が本当に美味しいという裏付けがあるからこそなんですけどね。
―その味を最大限に引き出すために、餌にも力を入れているとか。
日高 当社の餌は、新鮮な素材を全て自家配合しているため、低コストでの生産が可能です。その半面、手作りですので保険が適用されず、高リスクとも言えます。ですが私にとっての養豚は「モノ作り」ではなく「モノ育て」と考えていますので、人間と同じように、豚にとって必要な栄養成分をきちんと補給し、体調管理を整えるためにも、純度・精度・味にこだわった餌作りを行っています。配合する素材は、植物性タンパク質の豊富なきなこや大豆、肉質をより良くするための微量なミネラルや塩、そして餌の主体であるトウモロコシは、鮮度を保つために丸粒のまま輸入して自社工場で粉砕したものを混ぜています。これらに微生物飼料「ZERO-1」を混ぜて完成です。
餌ももちろんですが、当社では豚の飲み水にもこだわり、天然の井戸水をタンクに貯め、BMW(バクテリア・ミネラル・ウォーター)技術によって精製した水を与えています。この水のお陰で豚の腸内が整えられ健康になり、糞尿の臭いも抑えられますので、当農場は昔から「臭いのない農場」だと言われてきました。畜舎周辺には民家や小学校などがありますので、地域の方々がにご迷惑をかけないことも、当社の責任だと考えています。
<今後の展望>
―今後の展望は。
日高 昨年の11月から、川南町の軽トラ市でまるみ豚ハンバーガーを販売していますが、思っていた以上に反響が大きく、限定数100個がすぐに完売してしまいます。そこで、今年はこの豚ハンバーガーと精肉を販売する移動販売車を宮崎県内に走らせたいと考えています。豚ハンバーガーでの認知度は徐々に定着してきましたので、今後は精肉でも話題を呼んでいきたいですね。
―最後に、読者の方にメッセージなどございましたら。
日高 川南町はグルメの宝庫です。農業を頑張っている人達の数だけ美味しい食材が沢山溢れています。思うに、この手作りの「美味しさ」の中には生産者と消費者・作る人と食べる人という、人と人とのつながりも加味されているのではないかと感じています。ですので、ぜひ自分の住む地域の農産物を食べて、多くの農家の方々とこうした関係性を深めていってほしいと思います。
―お忙しい中、ありがとうございました。(聞き手・酒井里佳)


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