宮崎歯科技術専門学校

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歯科医院にかかったことがないという幸せな人は滅多にいないだろう。できたら敬して遠ざかりたい場所ではあるが、歯痛に苦しむ時にはどんな名刹よりも有難く御利益もある所だ。そんな医療機関を支えるスタッフが歯科衛生士と歯科技工士。そして、その有為の人材を養成する学校が、宮崎県歯科医師会立宮崎歯科技術専門学校だ。

受験シーズン真っ盛りのこの時期、同校を訪ねて宮崎県歯科医師会会長・田島逸男氏に同校の教育内容や、歯科医療の現状、「8020運動」と連動した「パールリボン運動」など多岐にわたってお話を伺った。受験生諸氏の進路選択の一助になることを乞う。

―昭和37年設立と、全国でも有数の伝統と実績で知られる宮崎歯科技術専門学校ですが、設立の経緯は?

田島 宮崎県歯科医師会立ですので、会員の医療機関のスタッフ養成、充実が設立の第一義としてあったのだと思います。当初は1年課程で定員20名の宮崎歯科衛生士学院としてスタートしました。現在では、医学、医療の進歩に伴い高度な知識が求められるようになったことから歯科衛生士科は3年課程となり定員50名。また2年課程で定員17名の歯科技工士科も併設されています。募集者数も増やしてきたのですが、それでも歯科衛生士は慢性的に不足している状況で、県内に歯科衛生士のいない空白地帯もあるのが実情です。

 

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―医療の人材不足は各分野で取り沙汰されていますが、深刻な問題ですね。でも逆に云えば卒業生の就職の心配はないですね。

田島 お陰様で国家試験合格率は高く、就職率もほぼ100%です。求人倍率も2倍前後と高く、歯科衛生士科学生の大半は県内で就職しますが、大都市からの求人もあり数年前から県外の医療機関に就職する卒業生もいます。歯科技工士科では歯科医療最先端のアメリカでプロフェッショナルとして活躍している卒業生もいます。いずれは帰郷して県内の医療技術のレベルアップに貢献してくれるものと期待しているところです。

 

―教育体制は?

田島 県歯科医師会の先生方や、県病院、宮崎大学医学部、県立看護大学などの協力を得て、綿密な基礎教育と(歯科衛生士科は)約一年半におよぶ臨床実習によって確かな技能と知識を養っていきます。また、医療従事者には法的知識も欠かせませんので、弁護士さんを招いての講義なども取り入れ、即戦力となりうる高度な人材の育成に努めています。一方、一般教養、倫理教育にも力を入れ、歯科衛生士科は手話や英会話、茶道などの科目もあり、幅広い教養が身につくような配慮をしています。また、学生教育に造詣の深い九州大学大学院歯学研究院の中島昭彦名誉教授の特別講義を年4回開講し、主に倫理面での指導も受けています。

 

―各界の専門家の講義が多く、学生にはいい刺激になりますね。

田島 受講後のレポートを読むと、そのような感想が目立ちますね。

 

―話を横道にそらすようですが、私は最近歯周病が原因で歯を何本か失いまして、自分の歯で物を食べられる有り難さを、欠落した歯で毎日噛みしめているところです(笑)。宮崎県歯科医師会は「8020運動」と連動して、独自に「パールリボン運動」を平成18年から展開中ですね。

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田島 「80歳になっても20本、自分の歯を保ちましょう」という運動が、厚生省と日本歯科医師会で進めている「8020運動」です。これは自分の歯が20本あれば、沢庵やスダコなど硬い食物もなんとか不自由なく食べられ、楽しい食生活を送れることに由来しています。「パールリボン運動」は、それに加えてキラキラと真珠のように輝くきれいな歯を生涯保ち、楽しくおしゃべりし、明るく笑う生き生きとした人生を送っていただきたいという願いから提唱しました。健康寿命といいますかね。単なる余命ではなく、元気な寿命を延ばそうという運動です。宮崎県は虫歯についてはまだ全国のワースト10に入っていますが、それでも諸先輩方の努力や幼児期のケアが行き届いてきて大分少なくなってきました。しかし生活習慣病である歯周病は増加傾向にあるのが現状で、啓発活動を一層推進していこうと考えています。

 

―歯周病は生活習慣病の一つなのですか?

田島 そうです。糖尿病の6番目の合併症とも云われていますし、メタボリックシンドロームとの関連も指摘されています。「歯の丈夫な人は元気」と巷間よく云われてきましたが、歯の数の多い人の医療費は逆に少ないというデータもある位、口の中の健康は全身の健康と密接につながっているのですね。そこでキーワードに挙げられるのが口腔ケアです。歯だけでなく舌も含めた口の中全体のケアですね。最近よく話題になる高齢者の誤嚥性肺炎を例にとると、口腔ケアをすることによって少なくなるというデータがでています。また、インフルエンザの予防についても手洗いとうがい+口腔ケアの3拍子でと訴えているところです

 

―ということは、口腔ケアを担う歯科衛生士の存在はますます重要になりますね。

田島 がん患者の術前術後のケアに、看護師や理学療法士の方々をまじえたチーム医療の一員として参加する事例も増えてきました。口腔ケアをすることによって早く食事が摂れるようになり、快復力がつくのですね。また、合併症も少なくなるというデータもあります。他にも介護施設や老人ホームでの役割など仕事の場は広がっています。

 

―最後に、宮崎歯科技術専門学校をめざす若者に一言。

田島 歯科医療人に求められるのは3H。すなわちHead Hand Heartと言われています。ヘッドは知的能力、ハンドは技術力・操作能力。そしてハートは人間性、患者さんに対する愛。すなわち患者さんの喜びを自分の喜びに変えることができる能力です。尚、歯科医療は「生活の医療」だとも思うのですね。生活の質、生命の質を高める医療です。しっかりとしたスキルを身につけ、感謝の気持ちと、優しい心で患者さんの人生の向上に貢献できる人材となることを願っています。


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