加藤えのき

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冬の楽しみの一つに鍋料理がある。その鍋に欠かせないのが、甘い香りがありシャキッとした歯ごたえのエノキタケ。近年ではその効用も注目されサプリメントまで販売されるほど、美味しいだけではなく健康にもいい有難い食品である。今回は、そのエノキタケを専門に生産している「有限会社加藤えのき」を訪ね、平成17年に就任したばかりの2代目社長である加藤修一郞氏にエノキタケや本格操業を始めた新工場のことなどを伺った。

【約10年間で生産量は56倍にアップ】

―社長に就任されてまだ5年目だとお聞きしていますが、次々と新機軸を打ち出しますね。キノコ栽培については、どこで勉強されましたか?

加藤 10年程前に帰郷して、父が創業した「加藤エノキ」に入社しました。それまでは福岡で普通のサラリーマン生活を送っていましたので、とりたてて教わったと云うほどのことは無いのです。只、今の仕事に就いてから長野県などの生産者を訪ね実情を調べました。詳しいことは教えてくれないのですが、当時は(えのき茸の先進県である長野県などと比べると)生産体制で後れをとっていましたので、見学するだけでも吸収することは沢山ありました。後は、製造ラインを更新したり、原材料の配合バランスを工夫したりしながら、独学で美味しさと鮮度を追求してきました。生産量も当時と比べると5~6倍に増えています。

 

【自社ブランドで顔のみえる生産者に】

―スーパーの店頭では「加藤えのき」のコーナーが目を惹きますが、自社ブランドにした理由は。

加藤 平成18年から自社ブランド「加藤えのき」を前面に打ち出すことにしました。消費者の方々に生産者の顔がわかるようにしたいという思いと、食べ物ですから品質と鮮度、安心・安全に責任を持って生産していますというメッセージを込めています。

 

【「一株えのき」で新しいえのきブームを起こす】

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―「加藤の一株えのき」も好評ですね。

加藤 完全限定生産ですので量はそれほど多くはないのですが、販売開始から3年たち、ご存じの方も増えてきました。エノキタケ本来の味を召し上がって頂くため、通常のものより日数をかけて育てています。かさがコロッとして肉厚で食べごたえがありますよ。その日採れたものだけを、株分けせずそのままもぎ取り、店頭に並べますので、お買い求め頂きましたら、是非その日のうちにお召し上がりください。贈答用に3株をパックにした「えのきのびっくり箱」もあります。食べ頃のタイミングに合わせ、工場から直接ご希望先へお届けしています、新しい生鮮物のギフトとしてご利用くだされば有難いです。




新しい生産方法に対応するために新工場を建設

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【コスト競争力を付け、安定供給を目指す】

―新工場も建設されましたが、概要は。

加藤 建築面積3200平方メートルの工場の中に生育室や殺菌室、出荷用に仕分けする作業場などがあります。昨年の9月に完成し10月中旬から操業しています。これで生産量は年間2000トンの体制になりました。エノキタケの栽培方法はプラスチックの培養ビンに豆腐を作るときに出る「おから」や、米ぬか、麦ぬかなどを配合した培地(ばいち)を殺菌し、そこへ種菌を植えつけて栽培する「ビン栽培」です。また雑菌に弱いため、害菌のコントロールには特に気を使います。エノキタケは低温化で生育しますので、生育室では3℃~15℃の低温で約55日~60日間かけて温度と湿度をしっかり管理しながら、大切に育てています。

最近、エノキタケ栽培では産地問競争の激化、消費者物価の低下などにより、栽培コストの低減がこれまで以上に求められています。そこでコスト競争力を一段と向上させるために、この培養ビンの大きさを従来のものより1.5倍の大きさに変更しました。新しい生産方法に対応するためには新工場の建設が必要だったのです。

 

―デフレの影響は各方面に及んでいますね。

加藤 私たちは食料を生産している会社ですので、健康な食生活への応援、安全・安心生産、そして新鮮な食品を安定供給することが消費者の皆様方に対する一番の責務だと考えています。さらにコスト競争力を付け、世の中のニーズの変化に常に対応できるような体制を確立させることが私の目標です。

 

【食育や地産地消を推進】

―工場見学の方もいらっしゃるのではないですか?

加藤 工場見学や収穫体験なども随時行っております。近所の保育園のお子さんたちも見学に来られましたが、初めてエノキタケが栽培されている様子を目の前にして感動していました。新鮮な体験だったみたいで、食育の場にもなりますね。

 

―地産地消についてはいかがですか。

加藤 地産地消を推進することは、地元に対する社会貢献であると考えていますが、地元の味を広く伝えるには、まず地元の方に味わって頂くことが大切ですので、試食会など様々なイベントを皆様へご提案させて頂きます。

 

【エノキタケの魅力をもっとアピールし、加工食品への進出も】

―最後に、今後の抱負を。

加藤 エノキタケは今の季節、鍋料理には欠かせないものですが、炒め物、煮物、パスタなど何にでも合います。エノキタケの食材としての魅力をもっと多くの方々に知ってもらいたいですね。そのためにも生産者ならではの「エノキ調理法」や、知って得する「エノキのチカラ」など、様々な情報を発信していきたいと考えています。また、エノキタケをアピールするためにも、加工食品の分野(現在、えのきドレッシングを試作中)に乗り出していけたらと思っています。

―本日は、お忙しい中ありがとうございました。

 

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エノキタケ

キシメジ科のキノコで、ユキノシタの別名があるように冬のキノコであり、欧米ではウィンターマッシュルームとも呼ばれています。日本では古名を「なめすすき」と言いい『梁塵秘抄』に「まつたけ、ひらたけ、なめすすき」と書かれているように、エノキタケは古くから有名な食用きのこの一つでした。栽培の歴史は古く、江戸時代にはエノキタケが出そうな木の穴の中などに、むしろを掛け、米のとぎ汁をまきながら発生させたという栽培記録が残っています。今のようなエノキタケの人工栽培の方法が確立されて、量産するようになったのは昭和30年代です。また、南極観測隊員が「野菜不足の南極で育てられないものか」とエノキタケの栽培に取り組み、南極で初めて作られた野菜となったというエピソードもあります。

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