循環型農業はいのちを救う

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循環型農業はいのちを救う。

―日本の食料自給率の現状は。

杉本 日本の食料自給率はわずか40%で諸外国に比べ大変低いのが現状です。さらに穀物自給率は28%となり、この主な原因は日本の加工型畜産にあります。

4000万トンと言われる日本の穀物消費量のうち、米の自給が14900万トン、輸入が80万トン、小麦大豆は自給が100万トンで輸入は400万トンです。しかしこれらを遥かに上回る全体の約67%を占めているのが飼料穀物です。年間2500万トンを輸入し、そのうち半分の1200万トンがトウモロコシなど家畜の餌として輸入されており、このことが日本は自給型畜産ではなく、加工型畜産と言われている所以です。

つまり日本の食糧問題はいわば、家畜の餌問題と言い換える事が出来ます。ここを打破しなければ日本の食料自給率は上昇しないと言えます。

 

―改善策は。

杉本 先程申しました通り、海外から家畜の餌としてトウモロコシなどの原料が輸入され、家畜に与えられるのですが、原料が畜産物に変わるのはたったの5~30%程で、残りの70~95%は家畜の排泄物として排出されています。海外からの飼料原料の輸入から、我が国の家畜の排泄に至るまで、養分は一方的に流れるため、その養分が日本の土地に過剰に集積して地下水や河川の汚染を引き起こす状態が発生しています。これを断ち切るためには、家畜の排泄物を国内で循環させることが最も近道と言えます。排泄物から堆肥を作り、作物に施し、生産物を家畜や人間が食することが循環へと繋がるのです。

 

―そこで循環型農業が必要になるのですね。

杉本 例えば、養分を含む家畜の排泄物を畑に撒くことで植物が吸収し、その植物を動物や人間が食べる、これが循環です。日本は元々、各農家が家畜を飼育し、肥料の代わりに堆肥を畑に撒き、作物を作るという、循環型農業を自然に行ってきました。しかし化学肥料が誕生したことで堆肥に代わって化学肥料使用されるようになり、同時に家畜の飼育も衰退し、各農業生産分野が分断されたため、循環過程が断ち切られてきたのです。裏を返せば、各生産分野に特化することで各分野の技術レベルが上がってきたとも言え、これが現代の日本の農業スタイルです。この分断された分野を繋いでいくことが循環型農業の復活に繋がるのです。養分を多く含んだ家畜の良好な堆肥の生産と、それを利用することで植物の生長が促進され、食料自給率も必然的に増加します。それにより食糧問題も解決に向かいます。

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―循環型農業にはどのようなメリットがあるのですか。

杉本 地球環境に良いのはもちろんですが、循環型農業のメリットはそれだけではありません。一番大切なのは資源の循環です。人間、植物、動物は普段生命維持に必要な様々な無機資源を摂取しています。しかし、窒素や炭素を除く無機資源は全て有限ですので、これまでのように食と排泄の一方的な流れを繰り返せば当然、植物の生長に不可欠な無機資源が枯渇するために、食料の生産が危うくなり、我々人間が生存していくことが不可能となる恐れがあります。ですから、私たちはまず生命を維持していく為に必要な元素は有限だという事、そして循環を促進することは無機資源の枯渇を防ぎ、人類の生命維持の保障になることを理解し、実行していくことが大切です。

―お忙しい中、ありがとうございました。

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