バクスター株式会社

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多様性に富んだグローバルヘルスケア企業として、医薬品、医療機器、およびバイオテクノロジーの専門技術を活用し、世界の医療の向上に貢献するバクスター株式会社。その製品は100カ国以上に提供されている。今回は宮崎県清武町にある、国内唯一の透析製品製造拠点、バクスター宮崎工場に伺い、現状を聞いてみた。

バクスター外観.jpg―バクスター株式会社について教えてください。

米国のバクスターインターナショナルインクの日本法人になります。今年で40周年を迎えました。事業内容としては、慢性腎不全治療用の腹膜透析製品およびサービスを提供する透析製品事業部、血友病A治療用の血液凝固因子製剤などを提供するバイオサイエンス事業部、鎮痛剤や抗がん剤の持続注入に使用されるディスポーザブルポンプや金属針を使用しない輸液システムなどを提供するメディケーションデリバリー事業部があります。

1990年に清武に工場が竣工されましたが、なぜ宮崎を選ばれたのですか。

初めは北海道のある町に99%決まっており、そちらで準備を進めておりました。ですが当時の松形知事や企業立地課の方々、清武の町長さんがとても熱心に勧誘してくださったこと、また非常に良質な水があることが決定打となり最後に意見がひっくり返りました。毎年行っている水質検査では基準値を遥かにクリアしております。他にも立地の素晴らしさ、気候風土、そして宮崎県の皆様の仕事に対する真面目さも大きな決め手になりました。現在当社の従業員数は約900名程ですが、その約半分が宮崎工場で働いており、88%は宮崎県内出身の社員になります。

―敷地内はとても広いですが、どのような施設があるのですか。

宮崎工場には製造工場、製品開発センター、テクニカル・サービスセンター、CAPDコールセンター、配送センターの5つの機能がございます。

まず製品工場では、宮崎の良質な水を使用した中性腹膜透析液を年間800万バッグ製造しております。こちらは日本国内で当社唯一の工場であり、工場内の機械は全て国内で設計、製造した日本製の機械だけを使用しております。現在は第二ラインまで使用して透析液を製造しておりますが、今後患者様の増加に伴い第三、第四ラインまで拡張を考えております。また、ISO9000ISO1400197年と01年から毎年取得し続けています。非常に厳しい審査なんですが、医薬品産業である以上患者様の安心安全のために、自分たちで品質と環境を守っていくという気概で従業員一丸となって取り組んでおります。

製品開発センターでは透析製品の開発、改良を行っております。透析液を入れるバッグも全てこちらで開発したものです。また、アメリカで作った製品の改良や、米国とヨーロッパ開発センターとの協働による開発もここで行っております。

テクニカル・サービスセンターでは「ゆめ」と言う自動腹膜潅流装置と、「くりーんフラッシュ」と言う腹膜潅流用紫外線照射器の点検修理が主な業務です。また国や県から免許をもらって行っているため、医療機器修理業と製造業という業態のライセンスを持っています。

CAPDコールセンターでは「ゆめ」と「くりーんフラッシュ」をお使いになる際の疑問点や不具合など操作に関するご相談を承っております。36524時間受け付け可能です。またお電話をいただいた際は、製品のお引き取りと代替機の配送を沖縄から北海道までどこでも5時間以内に届くようにしております。透析製品は患者さんの命に関わりますからね。世界中でもこれだけ迅速なサービスを行っているのは日本だけですし、国内でもなかなか珍しいと思います。

―宮崎工場では透析事業に特化しているということですが、腹膜透析とはどのようなものですか。

現在透析には血液透析と腹膜透析の2種類があります。血液透析は通常1日4、5時間の透析を週3回医療機関に通って行う方法で、皆さんにもなじみ深いと思います。当社が提供している腹膜透析とは在宅で行う透析の方法です。腹膜透析は患者さん自身の腹膜を利用して血液をきれいにする方法で、血液透析と比べ、透析導入後も残っている腎機能をより長く保つことができ、尿が出なくなる時期を遅らせることができます。

腹膜透析には寝ている間に器械を使って行うAPDと、日中4~8時間ごとに行うCAPD2種類があります。特にAPDはお仕事をされている方や学校に通うお子様に「日中自由に動ける」とご好評いただいております。また通院の難しい高齢者の方も自宅で行うことができます。しかし、現在では血液透析のほうが認知度が高く、実際はこの方法をあまりご存じない方が多いというのが現状です。今後ぜひもっと多くの方に知っていただき、より自分のライフスタイルに合った透析方法を患者さん自身で選んでいただけるようになりたいですね。

―腹膜透析を通して患者さんのQOL(生活の質)の向上に尽力する同社。事業自体が社会貢献へと繋がっているわけですが、それ以外の活動にも力を入れられてるそうですね。

仕事はもちろんですが、地域住民として地域に貢献することも大切だと考え、従業員1人が1年に最低3.5時間は社会貢献をすることを会社のポリシーとして実行しています。毎年ボランティアとして清武河川敷や青島海岸の清掃を行ったり、献血にも積極的に参加しております。昨年の10月にはその功績を認めて頂き、赤十字社から表彰を頂きました。

またバクスターインターナショナルインクの慈善事業部門として、医療へのアクセスの向上や医療の質の向上などを目的とした取り組みを行う世界各国の団体に対して毎年助成を行っております。そして、昨年9月にはバクスター株式会社として国内で初めて、都城のNPO法人キャンバスの会に助成金をお送りしました。今後もこの活動は続けていきたいと考えております。

―会社一丸となって社会貢献に取り組む同社。前職で世界中を飛び回っていた桑原さんから見て、いかがですか。

日本人は世界に優れた国民性を持っていると思います。礼儀正しいうえに秩序を守りますし、どれだけ意見を述べても最終的にはみんなで合意をとりますよね、必要以上に摩擦を起こさないように、相手の気持ちを慮って意見を述べる。これが日本の製造業を素晴らしいものにしたんです。チームワークが非常に取りやすく、会社や自己に対する忠誠心は世界一強いと思います。当社では、皆様の命に関わる物を作らせていただいていますから供給が切れるということが一番怖いんですよ。ですから生産計画に基づいて製造を行っていますが、毎週変更があるんです。それでも当社の従業員は非常に柔軟に対応してくれます。一人一人が自分たちの仕事は人の命に繋がっているという強い責任感を持って仕事をしているからこそだと思います。会社は従業員のやる気が全てです。私にとって社員は家族であり、社員あっての会社だと考えています。成果主義だけではだめだということを日本企業は忘れてはいけないと思います。

―本日は、有難うございました。

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