雲海酒造常務 酒泉の杜総支配人 山本達雄さん

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総支配人 山本達雄.jpg
年間約80万人の観光客が訪れる宮崎県綾町にある「酒泉の杜」は今年11月で創立20年を迎える。ゴールデンウィークなどの行楽シーズンを前に、4月8日にはリニューアルオープンも予定され、新しく生まれ変わる「酒泉の杜」に期待が集まっている。地元に貢献できる企業を目指して躍進を続ける「酒泉の杜」の山本総支配人にお話を伺った。

「酒泉の杜」誕生から現在まで

 

四季折々に美しい自然が残る水のきれいな町「綾」に「酒泉の杜」がオープンしたのは平成元年の11月24日。何もないところから一つのものを創りあげるのには大変なご苦労があったに違いない。

 

「酒泉の杜」ができる約2年前からその構想はスターとした。当時の綾町長であった、故・郷田實氏は、自然豊かな照葉樹林から生まれた文化を大事にしようと、その当時から有機農業や、木工や紬などの手作りの工芸、自然産業の普及に力を入れていた。

 

それと同時に地域の活性化のためには町の施策に理解のある企業の参加が必要だと誘致企業を探していた。当然自然豊かな綾の風土に合った企業をと考えていた。照葉樹林から生まれた綾の湧水は「日本の名水百選」にもなっており、綾町は国土庁選定"水の郷"にも指定されていることから、水を使うお酒はどうかということで「雲海酒造」にお声がかかることになる。

 

「雲海酒造」も五ヶ瀬町から宮崎に進出して行こうという丁度良い時期であり、郷田町長の考え方に「雲海酒造」の中島勝美社長も共鳴し、雲海酒造5番目の工場「綾工場」としての進出が決定する。

 

綾町の理念に合わせて社会性を持たせた工場ができたのが昭和60年。自然産業に観光を結びつけた、産業観光を推進していくため、工場を見学できるよう「見せる観光」を意識したところ、県内外より多くの見学者を受けいれることになる。またこの時期、綾の吊り橋や綾城も整備され、段々観光地の拠点として確立してくる。そこで、綾に来られたお客様が「綾とは」「雲海酒造とは?」という基本的なコンセプトを誰が見ても解るようその核となるものを作ろうということで「酒泉の杜」の構想が始まった。昭和62年のことである。

 

酒仙の杜.jpgそして、平成元年11月「酒泉の杜」は念願のオープンとなった。年を追うごとに観光客も増え、平成6年には「宮崎・綾ワイナリー」、その2年後には地ビール工場「杜の麦酒工房」もでき、宮崎の観光地の柱として酒造り、綾陽亭、温泉、伝統工芸など、観て、食べて、くつろげるスポットとして年間を通してたくさんの観光客が訪れる。

 

 

創立20周年に向けて新しく生まれ変わる「酒泉の杜」

 

「酒泉の杜」は今年の11月で創立20周年を迎える。リピーターのお客様は勿論のこと、利用される多くの方々に更にお喜び頂きご満足頂けるよう、気分一新!新たな気持ちでお迎えする為、売店3部門、飲食3部門のリニューアルが行われる。

 

すでに2Fレストラン「綾ぐるめ」では2月から新メニューが並び、好評を得ている。米は綾米。野菜も地元のものを。無農薬、有機物にこだわり、綾、そして宮崎の食材・旬の素材にこだわる。魚も宮崎直送、朝どれのものを使っている。「安心、安全、そしておいしいものを食べてもらいたい」とスタッフも一生懸命だ。

 

以前から人気のあった「杜の麦酒工房」はワイン&ビアレストラン「コトルコラス」としてオープンし、目の前で焼き上がるピザ、旬素材のパスタや県産ポーク100パーセントウィンナー、チーズなどおいしい料理と一緒に綾ワインや綾の地ビールを楽しむことができる。

 

売店3部門は販売コーナーも館ごと入れ替えを行い、内容、商品など吟味したものにし、地元や県内産を中心に、やはり安心・安全な品質にこだわりを持った品揃えとする。なお、酒類処は雲海酒造の各蔵ごとの商品陳列にレイアウトしたもので見て解りやすい全酒類の試飲販売スペースとし、楽しさのある場所になることでしょう。

 

また今回のリニューアルでは「酒泉の杜」はそのままに、タイトルが変わり、ロゴも一新する予定。社員の制服も変わり、気分一新で20周年に向けてのスタッフの意気込みも伝わってくるようだ。

 

新しい観光ルートの発掘、発信を広域で

 

「宮崎の観光は昔と比べ落ち込んでいる。今後、豊かな自然をどう活用し、発信していくかが問われる。今は綾だけで考えても駄目」ときっぱり。綾━西都━西米良を結ぶ奥宮崎広域観光協議会の発起人でもある山本総支配人。「これからは観光推進のために各市町村との広域での連携が欠かせない」と強調する。

 

「宮崎は海というイメージが強い。しかし山間部でも宮崎の魅力は満載のはずが、どうしても取り残されてしまう。たとえば、宮崎が新婚さんブームに沸いた時には、高千穂、椎葉、霧島、えびの、都井岬とどこも満杯だったが、今は半分以上忘れられている状況にある。地域の歴史文化や観光遺産の掘り起こしが重要です」。

 

「今後、綾も西都、西米良など山間部と手を結んで、長期的な視野を考えて、ホテルや民間が中心となり、新しい観光ルートの発掘、発信を継続しなければならない。そして日向、高鍋、高千穂などみんなが一緒になってそれぞれに動いていけば、それが大きな波になって新しい観光ルートの発掘にもなるだろう」。

 

「地元に滞在して、農業体験や生活が楽しめるグリーンツーリズムなどに力を入れ、自然を活かした試みを積極的に発信することも大事。今、知事が代わり宮崎が注目を浴びている今こそが良いチャンスです。同時に九州はひとつという考え方にすれば、『奥宮崎』西都、綾、西米良と『奥球磨』人吉、多良木、湯前などと県境を越えての連携も視野に官民で頑張っているところです」。

 

地元へ貢献する企業を目指して

 

「酒泉の杜」には全国の市町村や企業などがよく視察に訪れる。「実体験を通して成功したこと、失敗談などもどんどん紹介して他の団体などのお役に立てばその分『酒泉の杜』も全国的に知られ宣伝にもなる。そしてこれからも地元・綾に貢献できる企業になるよう努力したい」と熱く語る。

 

「陶芸家の作品の発表の場を作った『窯元祭イン綾』のように工芸や芸術活動にも協力し、創作家の方々の名前も広められるように応援していきたい。その為には、県内の画家の作品を展示する絵画展や、写真展、庭を使った生け花、野点など文化的なものにも力を入れ、様々な層が楽しめるようにしたい」

 

「たとえば子供達のために、酒泉の杜対岸に『創造の森』と題してボランティアや森林組合の皆さんの協力を仰ぎながら、『綾みらいの森事業』を手がけたい。散策路を設けたり、そこに希少植物や照葉樹を植えて育むところにし、未来の子供達の為に綾らしい森空間を作りたい」と目を輝かせる山本総支配人。

 

「また森林セラピー、景観条例などにも力を入れていきたい。都会の方がここに来て、都会の空気と180度違う自然の良さを体感して頂きたい。森林セラピーでは、散策をしながらおいしい空気を吸い、綺麗な景色を見て"あ~、綺麗だ"と感動するその瞬間が健康に一番良いと言われている。そういった場所にベンチを置き、セラピスト基地を確立し、お客様にまた綾に行きたいなと思わせるようなそんな空間を提供していきたい。綾町の皆さんと共に照葉樹林の拡張を、そして将来は世界遺産への登録など目標を決めてしっかりやっていきたい」と夢は広がるばかりだ。

 

 

山本 達雄さん

 

宮崎県門川町出身の山本総支配人。東京時代からホテルに勤め、郷里宮崎でのホテル勤務も経て、1988年に「雲海酒造」に入社。ホテル時代からを含め、今までに披露宴の司会も500組はこなしたという意外な一面も持つ。

 

宮崎を離れ、実家のある門川町にそろそろ落ち着こうと家を建てた時期に「雲海酒造」の中島社長との出会いがあった。「人生とはわからないものですね。色々な人との出会いで今の自分がある」と振り返る。

 

最初はお手伝いのつもりが、結局『酒泉の杜』の準備段階から携わり、オープンする1ヶ月前から家族と離れ、宿直室に寝泊りし、オープンから4年半はもう無我夢中で寝食忘れてやってきた。「従業員と家族の支えがあったからここまでやってこれた。家族には頭が上がりません」と笑顔で話す。

「そしてこの仕事が好きなんでしょうね。好きでないとここまでやってないでしょう」とできるだけ現場に、表に立ってお客様の前に足を運ぶ。

 

「ここ綾は本当にいいところです。水は綺麗、春には新芽をふく山野草、もうしばらくすれば『蛍』と季節ごとの色合いがある」綾を心から愛す山本総支配人。その気さくな人柄にファンも多く情熱の人である。

 

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