母と子の家「藤田助産院」 藤田美和さん

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藤田助産院.jpg宮崎市内に一軒だけという助産院「藤田助産院」。藤田さんの温かい人柄と助産院のアットホームな雰囲気は、妊婦さんやその家族にとって心強い存在だ。医療に偏りがちなお産の現場で、人間本来が持つ産む力を信じ、妊婦が主体のお産を目指して様々な社会活動にも取り組む藤田さんにお話を伺った。

助産師への道

 

和歌山県出身の藤田さんは結婚を機に宮崎へ。その後ご自身の4人の子供さんを育てながら助産師として働き、病院での永年のキャリアを積まれた後、平成17年の12月に念願の助産院を宮崎市に設立する。

助産師の道を選ばれたのは、「色々な人達との出会いの中での自然な選択だった」。しかしそれを決定付けたのは、お母様が妹さんのお産で亡くなるという体験を通して。藤田さんが小学校5年生の時だった。その時から「出産」ということ自体に何か特別な思いを抱くようになっていった。

それから時は過ぎ、藤田さんが20歳の時に、仲の良い同級生が結婚・出産をしていく中で助産院を選択。そのお見舞いに行ったときに感じた、温かい助産院の雰囲気と助産師さんとのやり取りを見て、こういう場所で、こんな家庭的な雰囲気の中でお産ができるんだなと率直に感じた。お母様が妹さんを出産した、その病院の雰囲気とはまったく違う、肌で感じた居心地の良さに助産院への思いが深まっていった。

その後も同僚が助産院でのお産を選択し、また藤田さんご自身も4人のお子さんを助産院で出産され、助産院開設のイメージは年を追うごとに、益々膨らんでこられたようだ。

 

家庭的な雰囲気と細かな気配り

 

藤田助産院2.jpg藤田助産院に入ると、まず玄関から家庭的な雰囲気が溢れる。廊下を通ると、まず診察室とその隣に分娩室がある。診察室では、妊婦さんが抱える心のケアと健康な母体づくりなどについて指導が行われる。隣の分娩室に行くと、そこは太陽の光がやさしく差し込む畳の部屋だ。もちろん分娩台もない。布団の上でのお産になり、妊婦さんが一番産みやすい体位で出産に臨む。

「私は特に何もしていません、妊婦さんにとって一番いいお産ができるように自然に導いているだけです」と話される藤田さんだが、妊婦さん達が残した数々の日記、写真やノートなどから藤田さんがいかに妊婦さんから信頼され、心強い存在であったかが良くわかる。

入院中の妊婦や赤ちゃんの身の回りの洗濯から食事のお世話まで藤田さん身らも取り組まれている。特に食事面では玄米菜食を心がけ、おっぱいがよく出るように工夫を凝らした手作りのおいしいメニューが並ぶ。妊婦一人一人にあった細かい食事が作れることも助産院ならではだ。

 

不安定になりがちな産後の心のケアや相談にも親切に対応してくれる。そんな心配りと居心地の良さに、子供を産んでからもふらっと遊びに先生の元に足を運ばれるお母さん方も多い。先生にとってもやりがいを感じる瞬間でもある。

 

また助産院では正常な妊娠分娩を扱うので、緊急の事態が発生した時、後方支援病院と連携を図りスムーズに対応できるように体制を整えている。

 

自分のお産と向き合う大切さ

 

「自由に自分が思うようにできるのが助産院の醍醐味。自分の主張、こんなお産がしたいと具体的にどんどん相談してほしい。なかなか他では相談しにくいこと、聞きにくいこと、我慢していたことをまずは相談してほしい」。

 

自分が子供を産んだという実感をもっと味わいたいと助産院での出産を望まれる方もいる。激しい長い陣痛にも耐えて子供を出産したのに、意外と子供を産んだという実感をあまり味わえなかったケースもある。

 

「妊婦が主体になって、こんなお産がしたいと、自分のお産としっかり向き合うことはとても大切なこと。遠慮することはない、もっと主張してもいい。お産をするうえで、助産師や産科医とのコミュニケーションはとても大切なこと。主役はあくまで妊婦さんなのだから」

 

医療に頼りがちな現状の中、助産院では自分の力を出し切るということに力を入れている。「自分の力を信じて、また赤ちゃん自身にも生まれる力があるということを意識して。そうすることで、お母さんが自分で産んで、そして育てるんだという意識が自然に出てくる」。

 

社会活動を通して

 

藤田さんは助産院をしながら、一方で、思春期教育の講演活動や、宮崎市の訪問指導員として、出産後の子育て支援の母子健康サービスの手伝い、そして助産師会の会員で構成する「か母ちゃっ子クラブ」のメンバーとして、母と子、女性の健康面、保険面のサポートもされている。

また、保健師、看護師、助産師、産業カウンセラー、認定心理士などが集まる専門職の集団、NPO法人 人間関係アプローチ宮崎"きらきら"(http://www.kirakira.fromc.jp/index.htmlの理事として地道に活動も続けていらっしゃる。

"きらきら"では、人間関係やコミュニケーションなどテーマを決めて真理的なカウンセリングなども行っている。藤田さんも妊婦を対象にして、自分が主体的なお産ができるように、産後の鬱の予防のプログラム「イメジェリーワーク」に力を入れている。この「イメジュリーワーク」とは、妊婦に、くつろぎの空間を提供し、妊娠・出産に関するイメージを豊かに広げ思い描くことによって、自分の身体に起きてくる様々な状態を受け入れ、赤ちゃんとの出会いを豊かにすることが目的で、すでにアメリカでは広く行われている手法だ。

 

助産院の活動以外にも精力的に社会的な活動にも力を入れていらっしゃる藤田さん。「今の調子でこれからもその人にとって一番いいお産ができるように」、「親しい家族に囲まれて、喜びに溢れたお産のお手伝いができるように頑張っていきたい」と目を輝かせる。

また「お母さん方が気軽に集まれる空間をつくって、妊婦さんとの語らいの中から、何か私にできることをこれからも手助けしていきたい」と素敵な笑顔で語っていただきました。

 

藤田助産院 

宮崎市広原780-2  電話 0985-62-5543

 

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