株式会社アービスホーム  谷口正博社長

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宮崎市旭1丁目にある「アービスホーム」 は創業11年。一般木造在来工法およびポスト&ビーム工法・ツーバイフォー工法等による新築住宅事業、ログハウス・ドームハウス等のビッグフット事業・増改築などのリフォーム工事事業、その他住まいに関する全ての業務を行っている。「アービスホーム」では、住宅のデザインに普遍性を求め、永年住み続けていく中での満足感と快適性を大切にしている。社員の平均年齢も27歳と、勢いのある会社だ。明るくパワーのある谷口社長にお話を伺った。

____________資産価値のある住宅造りの鍵___________

 「住宅の資産価値形成にとって第一に重要なことは、デザイン」と言い切る谷口社長。「住宅が長持ちする方法とは、けっして丈夫ということではないんです。たとえば、世界遺産などで残っているものは丈夫というだけでなく、デザインが非常に重要なんです。ポピュラーデザインではなく、レトロでもなく、クラシックデザイン。いつの時代にも通じるというのがクラシック。

たとえば音楽の世界で言えば、ベートーベンもモーツアルトも今でもたくさんの人に愛されているわけです。年末が来れば、ベートーベンの『第九』は今でも定番です。誰にでも通じるというのがクラシック。わかりやすく言うと、歌謡曲の橋幸夫、三波春夫、吉永小百合も確かにいい。ただ、今、それを歌うと"古い歌を歌うね"と言われる。『第九』を歌ってもそんなことを言う人はいないけど」。

資産価値のある住宅造りの鍵はクラシックと言えそうだ。「今、私どもが手がけている家は一見、現代風と思われますが、実は1800年代のデザイン、つまり200年前にデザインされた家を見本にしているんです。いわゆるクラシックデザイン」。

 

アービスホーム.jpg「2つ目に注意していることは、家は『ファサード』に建てるということ。『ファサード』とは、フランス語で正面、英語ではフェイスという意味。家の正面、顔を必ず道路に向けるという家のつくりかた。人が行き来する道路に向かって、家がデザインされている。最初にこの『ファサード』を取り入れた建造物といえば、神殿などがそう。人が入ってきやすい場所、その家から眺めた時、素晴らしい景色が眺めること。お城もそう。南向きではなく、道路に向かって造る。岐阜県のあの白川郷も『ファサード』に建っている。だから綺麗。歴史的に価値があるものは誰が見ても綺麗に造られている」と。 

 

「たとえば全米でも値上がり率の高いと言われる住宅地、サンディエゴのランチョ・ベルナルド、なぜ値上がりしたのか、実際に現地へ行って、アメリカの商工会議所の人達と懇談会をした。草原の真ん中は、昔は牛だけだった。その場所に家を『ファサード』につくり、デザインのガイドラインを作った。芝はこうして刈るとか、家のペイントはこうするとか具体的に。そしてデザインの素晴らしい町並みとその雰囲気に、あっという間に人気が出て、高い値上がり率となり高級住宅地となった」。

 

谷口社長も活動しているNPO「住宅生産性研究会」では国から予算をもらい、東京に有識者が集まり、日本の住宅の在り方や海外の良いところなどをとりまとめて、これからの住宅などについて提唱している。そしてその実践版とも言えるのが宮崎市の「東宮花の森」の「グラチアゾーン」。業界の中でも高く評価され、関東・関西の建築業者の見学者が訪れる。

約750区画のうち、「アービスホーム」が手がけるのはおよそ50棟。「グラチアゾーン」はカナダ人にガイドラインを設計してもらい、綺麗な部分が見えるように必ず「ファサード」に家を建てている。

「街並みをデザインする」という考え方をベースにして、一つの家だけではなく、家と家との環境をデザインすることにも力を入れた美しい街並みが続く。

 

______________幼少から会社設立まで_____________

  谷口社長のご出身は、清武町。農家の9人兄弟の末っ子に産まれる。子供の頃から「さるく神」というあだながついていた。宮崎弁のさるく(歩くという意味)からきた「さるく神」と言われるように、小さい頃から「よくあちこち行くものだ」と言われてとにかく好奇心の旺盛な子供だった。人を取りまとめるのがとにかく大好きで、小学生の時は、土曜日に公民館にみんなを集めて、墓掃除の打ち合わせを毎週毎週やっていた。早い時間にあつまり、墓を決めて墓掃除をし、昼からは山に行き遊ぶというふうにみんなを仕切っていた。

ある時は、地域の親達と団体交渉して、宮崎交通のバスを貸切り、地域の小学生を中心にその親を集めて青島海水浴場に行くという企画も立てた。当時は貧しい家庭も多く、車もなかったので、みんなに喜ばれた。青島海水浴場で昼まで泳ぎ、昼から「こどものくに」へ行き、ういろうを買って食べるというのが子供時代の最高の思い出。 

中学生になったら、畑を借りて夏は芋、冬は麦を作り、それを売って宮崎までの汽車に乗るための旅費稼ぎをするなど、その当時からアイディアマンだったようだ。

 

就職先は、労働福祉会館、労働金庫のグループに入る。最初の配属先は、できたばかりの勤労者旅行会。今でいうトラベルエージェントで、その仕事がおもしろくて、気に入り、土日も休まず、好きな仕事で夢中になった。3年後、住宅事業部に配属になり、住宅生協で10年間経理を担当し、都城支店の営業課長を5年。その後宮崎本店の業務課長を経験し総務課長として10年間勤務する。とにかく企画が好きで、どの課にいっても住宅の企画などにも携わった。またこの時期に様々なクレーム処理なども担当され、「苦しいこともあったが、自分なりに力を付けたなと思った。どんな問題でも真摯にやっていけば必ず解決すると」。

 

そしてついに独立。いわゆるご祝儀相場で、最初は色んな人が「待ってました!」と工事をさせてくれた。ところが3年したら仕事が激変。1996年に独立したが、世の中の動きも消費税が3%から5%に上がり、だんだんと厳しくなる年。死ぬ思いをしたと。そんなとき、心の支えになったのが、亡き母親。いつも9人の子供を支える為、一生懸命働く母の姿が思い出され力になった。

自分では営業力があると会社勤めを通して自信を持っていたが、創業期は「そんな名前は聞いたことがない」とネームバリューの大切さを痛感した。また物をどんなふうにつくるかでも真剣に悩み自分との戦いが始まった。人材の面でも素晴らしい営業マンがなかなか入ってこないで苦労する。資本金も少なく、人、物、お金に非常に困った。

 

____________住宅は本来楽しむためのもの_________

  当時住宅についてこだわっていたのはエネルギー問題。高機密高断熱の住宅で、丈夫な住宅を目指し無我夢中で仕事をした。それから4,5年経ってアメリカの住宅と日本の住宅のデザインの違いに気付く。思い立ったら即実行の谷口社長、始めは21日間、ロス、カナダ、ワシントンDC,カナダ、ニューヨーク、アリゾナ、ラスベガスと色々な家を見て廻った。それからビルダーズショーにも行き研究し、住宅はデザインが非常に大事だと確信する。以後、「世界の中でもアメリカは特に好きで今までにプライベートを含めると20回以上は海外に行っている。なぜアメリカ多く行くか?それは移民の国らしく、フランスの家も、ドイツの家も、イタリアの家もある。イギリスの家もある・・・ともう世界の住宅の集大成。だからアメリカにこだわる」と。

 

そのアメリカでの経験を踏まえ、「住宅は雨露をしのぐものから、最近自転車を楽しむ人が多くなったのと同じで、家は楽しむ時代ではないか?」と提唱する。「住宅は癒しとか健康がテーマではない。それは当たり前のことでわざわざ提唱するまでもない。欧米の人は、自分の家で楽しむ。パーティーを開いたり、子供と家の中で色々なことをして遊んだり、部屋のインテリアを工夫したり、家を中心に暮らしを楽しむというスタイル」。そんなライフスタイルを意識したのがアービスホームの「ビッグフット」展示場。宮崎西インターチェンジから車で8分の潤和会記念病院近くにある。中でもドーム型のモデルハウスはひときわ人目を引く。複数棟の木の家のモデルハウスがあり、自然の恵みや風合いを大切にする木の家のテーマパークとして人気を呼んでいる。

外見は都会派の住宅だけれど、中は木づくりでスローライフを意識している。家庭菜園を造ったり、家の中に飾り物を作ったり、家にブランコを作ったり、それが木の家ならできる。そして去年からこういった家づくりが人気を集め、前年度比160%の売り上げをあげている。

「口コミの偉大さ、紹介の大切さを痛感している」と。そして、「値段に関係なく良いものは買われる。安い住宅をつくろうとは思わないが、コストは下げなければならない。ただプライス(価格)は消費者が決めるもので、原価は私たちが決めるもの。良いもので流通するものを安くつくりたい」と。

 

______________「循環型住宅」の提案___________

  アメリカの場合は生涯において、家を5回から6回は買い替えるという。住宅の流通が非常に盛んなので、家をつくるときから、どんな人でも自由に住めるスタンダードな家をつくっている。できるだけオープンプランニングで誰でもが住める家を。

一方で、日本人は、生涯獲得資金の45%を家に投資し、ほとんどが生涯一回という大きな買い物だ。「せっかくお金をかけるなら、将来値打ちの出る家に住んでもらいたい」。

 

「日本の住宅は、洋服を作ったことのない人に洋服のデザインをさせるのと同じで素人さんの言うことを全部聞いて作っている場合が多い。洋服で言えば、仕立てで、ポケットの大きさ、色はこれ、ボタンはこれと指示することはあまりないでしょう。洋服はデザイナーに任せるのが普通。本人に承諾を得ながらオーダーし、バランスをとる。なのに家づくりは、素人さんがデザインすることも多い。30代の方はその年代なりに。そして40代の考え方、50代の考え方と・・・・人それぞれだが、家を建てるとき、それぞれの立場や事情でつくる。ところが実際住んでみるとプロが考えたのではないから、住み心地は悪いし、デザインも悪いということに。結局、暫くすると壊して、建て替えるということになる」。

 

「あの福田総理が総理になる前、200年住宅を提唱した。その中に、"住宅は個人資産でなく社会資産ですよ"という言葉があるが、日本の住宅は時間と共にその価値が下がるものがほとんど。欧米の場合は住宅の価値が時間と共に上がるものも多い」。最初に良い住宅をつくれば、それが中古住宅となってもサイクルしていくという「循環型住宅」を提案している。たとえばヨーロッパ、アムステルダム、ベルギーでは新築住宅はほとんどなく、一世代必ず新築するものではない。「日本も段々そうなってくるでしょう」と。

 

また「アービスホーム」は「リビングピコ」というリフォームの会社も持つ。スタートして6年ぐらいだが順調に売り上げを伸ばしている。リフォーム事業部は女性社員がほとんど。「仕事はきちんとやってくれるし、お客様にも安心してもらえる」と。なぜなら最初の受注時はお客様に会社に来ていただくことも多いが、商談はお客様のご自宅に直接行って現場を見る。お客様の9割は女性相手。女性社員だと安心感を持ってもらえると。

 

_________________人生を楽しむ______________

 「人生を楽しまないと駄目、人生をただ生きるのではなく」と語る谷口社長。読書、ゴルフ、魚釣り、旅行と趣味も多彩だが、社長室には毎年行かれる社員との海外旅行の写真もたくさん並べられ、社員の話になると嬉しそうに目を細められる。今年はグアム、来年はラスベガスと夢は広がる。「みんな一斉に休みを取るのは事前に相当なことを段取りして、仕事を工面しないと休めないが、そうして思い切り休暇を取ると本当にリフレッシュできる」。生活にはオンとオフとの切り替えが絶対に必要だと。

 

また普段から社員には読書の大切さを説き、毎朝30分の掃除も欠かさない。初めて入った社員が「今日は大掃除の日ですか?」と間違うくらいだ。仕事でもプライベートでもとことんこだわる社長。毎年、ご自分で20kgの梅干漬までされるとか。

 

そんな社長の展望は、「高齢者の施設などを手掛けたい」と目を輝かせる。グループホームなどは旭川まで行かれて研究し、すでにアメリカ、フロリダにあるナーシングホームなども視察されている。この社長ならきっとお年よりも安心して暮らせる夢のある高齢者の施設をつくってくれそうだ。「老後を過すのではなく、老後をゆっくり楽しむ、そんな施設を造りたい」。

 

企画するのが昔から大好きという谷口社長、少年のように目を輝かせて夢についても語って頂いた。お話しているとこちらまで元気になるとてもユニークで魅力的な社長さんでした。

 

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